【絆・17】4月13日(日)の富津合同マラソン練習会は、気温が10度前後と低めだったのですが、長距離を走るには絶好のコンディションとなりました。あらためて、この練習会を簡単に説明すると、1kを4分30秒と5分00秒で距離走を走るグループと、LSDの3グループがあり、私はLSDを担当しています。
そして、今回の練習会に全盲の谷口選手が単独参加。しかも私の担当する2時間LSDを走るとのことで、これまた久々に伴走をすることになりました。もちろん、今の私に谷口選手を伴走できる走力はないので、「絶対に速く走るな、LSDだから」と、念を押してのスタートでした…。
さて、谷口選手は神戸に在住しています。したがって、千葉県富津市で開催しているこの練習会に参加したいと言ったところで、簡単に参加するには難しい距離です。ところが、谷口選手はこれまでも富津練習会に何度か単独参加をしています。それも今回同様、前触れもなく単独で上京してきます。
今更ながら、それぞれの選手がどこでどんなトレーニングを実施するかは自由であり、目標どおりの記録や成績を残せているならどれも正しいトレーニング方法です。谷口選手についても同様で、日本盲人マラソン協会の強化指定選手と言いながらも、どこでどんなトレーニングを実施するかは、全て自己責任となります。
しかし、谷口選手は少しでも良い練習環境や走力のある伴走者を求めて自ら積極的に行動するタイプの選手です。悪く言えば場当たり的とも受け止められますが、全盲の谷口選手が白杖を片手に電車を乗り継いで移動する姿は、まさに「平成の山下清」です。
今回、土曜日の夜は私の自宅に泊まり、日曜日の練習後は最寄駅から無事に帰っていきました。しかし、詳しく話しを聞いてみると、実は木曜日から上京しており、その夜は東京に住む伴走者の自宅に泊まり、一緒にトレーニングを実施。翌日の金曜日は栃木の伴走者宅に泊まり、一緒にトレーニングを実施。それから東京経由で千葉入りだったのです。
谷口選手は、このスタイルで確実に力を付けてきており、その活躍はこのブログで何度も取り上げているとおりです。私もこれまで様々なランナーを見てきましたが、周りが呆れるくらいの行動力を持ったランナーは、障害の有無に関係なく自らの目標に到達する確率は圧倒的に高いと感じます。今後も今の行動力を忘れず、2016年のパラリンピックはもちろん、2020年東京パラリンピックも目指してほしいと願っております…。
つづく。
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