【マラソンに向けて・9】前回のA1ゾーンから走行スピードが上がり、B1ゾーンに入ってくると、脂肪の燃焼だけで必要なエネルギーを生成することが難しくなっていきます。
つまり、脂肪の燃焼と並行してグリコーゲンを消費していくスピードに上がっていきます。そして、更に走行スピードが上がるC1ゾーンでは、ほとんどグリコーゲンだけに頼って走るゾーンと言われています。(例としては短距離走に該当する)
また、前回説明したとおり、体内におけるグリコーゲンの貯蔵量には限界があるので、B1ゾーン以上のスピードで走る限りは、スピードと距離に応じた限界点が存在することになります。
以上の点を踏まえてマラソンのスピードに置き換えてみると、A1ゾーンではある意味スピードが遅過ぎて、マラソンの目標タイムを達成することは難しいと言えます。逆にC1ゾーンのスピードを維持したままマラソンを完走することは、ほぼ不可能に近いと言えます。
したがって、記録を目指すマラソンの場合、必然的にB1ゾーンのスピードで走ることになります。ところが、B1ゾーンのスピードで走っていてもグリコーゲンの貯蔵量が少なかったり、C1ゾーンに近いグリコーゲンを大量に消費するスピードで走ったりすると、グリコーゲンが途中で枯渇し、失速することになります。
そして、酸素負債の話と同様、ゴール地点で限界点に達成するのが理想のペースと言えますが、グリコーゲンの貯蔵量は個人差や直前の食事による影響が大きいと言われており、それを自分自身で正確に把握することすら難しいとも言われています。
そのため、体内でおこっているエネルギー消費については、自分自身の身体でありながら自分の感覚で把握することも難しいが故に、余裕があったように見えても突然失速したりすると言われています。
この点については、私自身の経験に照らし合わせてもその通りであり、前半から中盤にかけて余裕のある選手が突然失速し、更に棄権してしまうケースもたくさん見てきました。同時に、後半の失速は体内のエネルギーに関する点が大きな原因であることは想像できますが、その対応策も簡単なことではないと言えます。
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