【マラソンに向けて・8】今回から再び話を戻し、「マラソンに向けて・5」の続きになります。
走行スピードに応じて遅い方からAゾーン、Bゾーン、Cゾーンと分けて考えてきました。ところが、走行スピードがCゾーンに達していないにも関わらず失速するケースがあり、この点を考えていくには、単に有酸素運動域と無酸素運動域の話だけでは説明できなくなってきました。
そこで、今回からエネルギーの視点からも考えていきます。
既にご存知のとおり、人が運動するために必要なエネルギーは、「グリコーゲンの消費」と「脂肪の燃焼」でまかなわえていると言います。具体的には瞬発力を必要とするような大きな力を発揮する際はグリコーゲンの消費。逆に少ない力を持続的に必要とする場合は脂肪の燃焼によりエネルギーを生成すると言われています。
また、グリコーゲンの貯蔵量には限りがあり、逆に脂肪はマラソン程度の運動時間なら事実上問題なくまかなえると言います。まずはこのことを前提に有酸素運動域と無酸素運動域と同様、スピードの違いから3つのゾーンに分類します。
スピードの遅い方からA1ゾーン、B1ゾーン、C1ゾーンと3つに分類します。更に同様にそれぞれのゾーンについて考えていきます。
まずは、最もスピードの遅いゾーンに該当するA1ゾーンについてです。これはAゾーンと同じく徒歩からはじまり、ゆっくりとしたジョギングに相当するスピードで、脂肪の燃焼だけでまかなうことができます。
ここで少し注釈を入れておきますが、グリコーゲンは化学燃料、脂肪は炭火に例えるとわかりやすく、脂肪を燃焼させるたには着火剤のようなものが必要です。したがって、運動直後には一時的にグリコーゲンが消費され、この着火剤の役目をします。
そのため、脂肪が燃焼をはじめるのに一定時間が必要なのは、このためとも言われています。
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