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名古屋ウィメンズマラソン

マラソンシーズン・6

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【マラソンシーズン・6】今年の8月にロンドンで開催される世界陸上マラソンの選考大会となった名古屋ウィメンズマラソンも終わり、男女の日本代表選考大会は全て終わりました。

特に、先日の名古屋ウィメンズマラソンにおいては、日本人トップでゴールした安藤選手は初マラソン日本最高となる「2時間21分36秒」、同じく日本人2位でゴールした清田選手は「2時間23分47秒」の自己新記録と、上位2選手が素晴らしいタイムをマークしました。

上記した2選手は共に「スズキ浜松アスリートクラブ」の所属で、レース中も独特のフォームでトップ集団をキープした2選手の存在感は際立っていました。また、注目すべき点は、スズキ浜松アスリートクラブは諸事情により、2010年3月をもって日本実業団陸上競技連合を脱退している点です。

つまり、いわゆる実業団駅伝(※)に出場しない生粋のクラブチームとして活動しており、長距離選手たちの多くは必然的にマラソンを目標にしている点です。※個別に都道府県対抗駅伝の出場や地方主催の駅伝大会等への出場は可能。

私が偉そうに意見することはできませんが、駅伝によるマラソンの弊害については、既に誰もが一度は耳にしている話題です。しかし、実際に国内のメジャー駅伝をチームとして外している実業団チームや大学チームは、ほぼ皆無と言っていいのが現状です。

そんな中、いきさつは別としても、実業団駅伝を走らないクラブチームに所属する2選手が、同じマラソン大会で同時に快走した点は大いに注目すべきと感じます。個人的にはマラソンを目指す上で、駅伝が必要か否かの考えを簡単に語ることはできませんが、これまでと違った取り組みで結果を残した点は、一石を投じたと思います。

さて、そんな今回の名古屋ウィメンズマラソンにも私がコーチしている女性市民ランナーが多く出場しました。今回出場した方々は、今年に入って既にマラソンを数本走っている方が多く、コーチとしてはそれぞれの調子を正確に把握するのに苦労しました。

しかし、出場したどの方々も練習どおりの粘り強い走りを発揮し、特に3時間30分前後を目標にした方々の頑張りは目を見張るものがありました。マラソンは当日のコンディションに最も左右され易い競技ですが、やはり経験がものを言う競技であるに違いありません。

どのランナーも今回の経験を次のレースに活かしてほしいと願っております。

2014名古屋ウィメンズマラソン

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【2014名古屋ウィメンズマラソン】今年の名古屋は天候もよく、何より風がほとんど無い絶好のコンディションの中、スタートしました。そして、参加人数も1万4675名と、女性だけのフルマラソン参加者数として、昨年の同大会のギネス世界記録を更新したとのことでした。(2012年大会の参加人数は1万3114名、2013年大会は1万4554名。)

「日本女子マラソンの低迷」と言われていますが、同大会を沿道から応援する限り、そんな不安を感じることすらできない盛り上がりでした。また、国内で開催される国際女子マラソンの参加標準記録の目安となる「3時間15分以内」で完走した人数は314名と、昨年の264名を大きく上回っています。更に、3時間以内(サブスリー)で完走した人数も昨年の74名を上回る92名と、日本女子マラソンのボトムアップにも大きく貢献している大会とも言えます。

今回、私の選手(市民ランナー)は4名出場し、全員が無事に完走しましたが、88位でゴールしたK選手の頑張りは、特に印象的でした。ゴールタイムは「2時間59分43秒」と、ギリギリのところで3時間突破(サブスリー)でしたが、注目したいのは上記した3時間突破完走者92名の中で、中間点の通過タイムが1時間30分をこえていたのは、K選手を含めたったの2名です。同様に、2時間50分を突破した選手は今回41名ですが、中間点の通過タイムが1時間25分をこえて、2時間50分突破を達成した選手はいませんでした。参考までに、中間点の通過タイムが1時間37分30秒をこえて、3時間15分を突破した選手もたったの2名でした。

一般的に、マラソンを効率よく完走するには、最初から最後までイーブンペースでラップを刻んでいくか、前半を抑え気味に通過するのが良いと言われています。しかし、3時間や2時間50分、あるいは3時間15分と、ある壁(記録)を狙うとき、多くのランナーはその壁に不安やプレッシャーを感じ、万が一のことを考えだします。つまり、後半の失速が怖くなり、前半に「貯金」を作ろうとします。しかし、マラソンに限っては前半の貯金はオーバーペースを意味し、逆に後半での「借金(失速)」につながるケースが圧倒的に多く、判断の難しい点でもあります。

さて、3時間突破(サブスリー)でゴールしたK選手は、今回で15回目の3時間突破となりました。初めて3時間突破を達成したのは、2004年1月の大阪国際女子マラソンでした。それからちょうど10年です。この間、コンスタントに3時間突破を積み重ねてきた経験と実績があるからこそ、今回も周りのランナーに惑わされることなく、冷静かつ正確な自分自身の走りができたと言えます。

今後、単に自己記録更新だけでなく、K選手のような何年も安定したパフォーマンスを発揮し続ける価値を、もっと大切にしていこうと感じた名古屋でした…。

名古屋ウィメンズマラソン2013

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【名古屋ウィメンズマラソン2013】今年の8月、モスクワで開催される世界陸上モスクワ大会の代表選考レースを兼ねた名古屋ウィメンズマラソンが、3月10日に開催されました。また、この大会が国内で実施される最後の代表選考レースとなりました。

結果は、既にご存知のとおり、木崎選手が代表決定第1号となる好記録で優勝。更に、アテネオリンピックの金メダリストである野口選手が3位に入るなど、見ごたえのあるレースでした。

木崎選手はロンドンオリンピックに引き続き、2年連続で日本代表入りとなりました。実は、オリンピックの翌年開催の世界選手権に連続で出場する女子代表選手は国内初とのことです。

至極当然のことですが、どの選手も最大の目標としているのがオリンピックの舞台です。そのため、最も高くて険しい山を征服した直後に、再び次の険しい山を目指して激しいトレーニングを継続できる精神力は、驚くばかりです。木崎選手は、男子マラソン以上に低迷が危惧されている女子マラソンの救世主となるに違いありません。

一方、野口選手についても、アテネオリンピック後、長期低迷に苦しみましたが、見事な復活です。私のような者が軽々しく言う言葉ではありませんが、「凄い!」の一言です。あらためて、今回のマラソンで見せた、「あきらめない心」こそが、マラソンで最も重要な要素であると、野口選手は証明しました。

今回、私の選手(市民ランナー)は、4名出場しました。そして、自己記録更新を目標にした選手は1名でしたが、残念ながら記録更新には届きませんでした。しかし、自ら「自己記録更新を狙う」と、宣言して挑んだ今大会は、いつも以上に自信にあふれた堂々とした走りでした。そして、今回達成できなかった自己記録更新も近い将来必ず達成できると、私自身も手ごたえを感じることができました。また、他の3選手についても、2選手が目標タイムを達成することができ、次回以降のマラソンにつながる内容でした。

さて、実業団選手(プロ)はもちろん、市民ランナーの方々でも常に自己記録更新ばかりに目がいき、自分自身の状況を的確に把握できていないまま、マラソンに挑むランナーは意外に多いと感じます。何度かこのブログでも取り上げましたが、記録更新ばかりに目が向くと、どうしても場当たり的な雑なレースが多くなります。その結果、逆に失敗経験を積み重ねることになり、マラソンに対する自信やモチベーションを下げることになってしまいます。

野口選手や木崎選手が今回のマラソンで見せた快走は、身の丈にあった取組みと目標設定の大切さをあらためて示したのではないでしょうか。また、今回のマラソンで国内の大きなマラソンもひと段落し、4月からは新年度がスタートします。今年度もマラソンを通じて多くの経験を積むことができましたが、4月からの新年度に活かしていきます。

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