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期分け

期分け・4

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【期分け・4】前回は、学生選手や実業団選手が積極的にトラックレースに出場していくことで、スピードを養成していく話しをしましたが、実は市民ランナーにもこの考え方は必要と考えます。

もちろん、全く同じようにとは行きませんが、短い距離のレースを積極的に走っていくようにします。具体的には、10k以下の短いレースに出場していきます。実は、多くの市民ランナーの方に共通することのひとつに、はじめて走ったロードレースがハーフマラソンで、次がマラソン。その後もハーフマラソンとマラソンを繰り返し走っていくパターンです。それも1年間を通じて全く同じような流れで走っていきます。

単に大会に出場すること自体を目的にしているランナーならこの流れで良いでしょう。しかし、マラソンで相応の記録を目指しているランナーの場合、特にこれからの季節は記録を目指していく上で厳しい気象条件に突入していきます。それは、気温が高くなり湿度も高くなっていくからです。暑さに自信のあるランナーでも気温が30度をこえるコンディション下でのマラソンやハーフマラソンの連戦は難しくなってくると思いますがいかがでしょうか。

実際に、6月から8月の暑さが厳しい季節においても、毎週のようにハーフマラソン以上のレースを連戦し、思うような記録や成績を残せずに悩んでいる市民ランナーを毎年多く見受けます。

前回、このブログに記載したとおり、箱根駅伝を目指している学生ランナーや世界を目指している実業団ランナーたちの多くは、4月からトラックシーズンと位置付け、積極的に短い距離のレースを走ってスピードを強化しています。その結果、秋からの駅伝やマラソンシーズンで、より高いレベルの記録を達成しています。

と言いつつ、彼らと市民ランナーのトレーニング環境や走力は相当な乖離があるのは事実ですが、同じような流れを実践してみる価値は大いにあります。つまり、4月からは、「スピード養成期」と位置付け、市民ランナーの方々も短い距離のレースを積極的に走ることは、秋からのマラソンシーズンに向け、飛躍のきっかけとなるに違いありません。

期分け・2

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【期分け・2】期分けは、目標のマラソンや大会で最高の調子に合わせ、目標の記録や成績を達成するための考え方です。この点については、多くの市民ランナー方も理解している点でもあります。しかし、なかなか実践できないのが現実です。

今回、期分けを再び考えていく上で、これまでと少し視点を変え、季節とリンクさせていく点を重視してみたいと思います。

さて、前回も触れましたが、ランニングブームがすっかり定着したこともあり、1年間を通じてマラソンを気楽に走れる時代になりました。その結果、1年間に10本以上のマラソンを走ることも簡単になり、マラソン完走の数を増やすと言う意味では容易な時代になりました。

一方で、期分けの考え方で調子を合わせようとしても失敗するケースも多くなりました。特に、レースを走り込みの一環としてとらえている市民ランナーの多くは、その傾向が強い感じがします。(マラソンを多く走ること自体を否定している訳ではありません)

もちろん、理由や原因は様々ですが、そもそも期分けして調子を合わせようとしている大会に無理があるケースが多いと感じます。例として7月から8月の夏に開催されるマラソンで自己記録を狙おうと、期分けして取り組んでいくパターンです。

少し考えれば簡単に理解できると思いますが、8月のマラソンを目標にした場合、一般的な考え方でいくと、走り込みのピークは4月から6月あたりかと思います。そして、レースも走り込みの一環としてどんどん出場していきます。もちろん、その中にはマラソンも数本入ります。

ところが、季節がちょうど冬から春に移行し、更に身体が暑さに馴化していないことも相まって、暑さのために体調を崩してしまうランナーも意外と多く見受けます。同時に、実際のレースでは暑さのため後半大きく失速し、メンタル的にも大きなダメージを残す結果となります。

それでも、何とか予定どおりの走り込みが実施できたとしても、8月のマラソンは、気温が30度をこえて、記録どころか完走するのがやっとのケースが多く、ゴール後は、「こんなに頑張ってきたのに、なぜ?」。心も身体にも大きなダメージが…。

皆さんはいかがでしょうか?

期分け

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【期分け】3月も終わりに近づき、来月からは新年度がスタートします。同時に、移動の季節でもあり、これまでの生活環境も変わる方も多いと思いますが、いかがでしょうか?

特に、ランニングが生活の一部として定着してきた方々にとっては、生活環境が変わることはトレーニング環境も変わる可能性が高く、違う意味でも不安があると思います。

一方で、いわゆる秋から冬にかけての「マラソンシーズン」は、ひと段落する時期でもあります。もちろん、今年度のマラソンシーズンを振り返り、新年度に向けて新たな目標を設定し、新たな気持ちで走り込んでいくには絶好の時期とも言えます。

そして、生活環境が変わる方も気持ちをリフレッシュするには、逆に良いタイミングと捉え、新年度からも新しい気持ちでマラソンに挑んでほしいと願っております。

そこで、4月からの新しいシーズンに向け、あらためて「期分け」について考えていきます。既に、このブログでも取り上げてきた「期分け」についてですが、1年間をいくつかのトレーニング期間に分類し、目標の大会(マラソン等)に調子を合わせていく方法です。

この「期分け」は、走歴の浅い市民ランナーほど、「自分には関係ない」と考えている方が多いと感じます。しかし、この「期分け」の考え方は、目標に向かって計画的な走り込みを実施していくことで、怪我や故障の防止、更にはモチベーションを長く維持していくためにも必要不可欠な考え方のひとつです。

特に、ランニングブームが到来してからは、1年間を通じて全国各地でマラソン大会が多く開催されています。その結果、ほとんど毎週のようにマラソンを走っている市民ランナーも多数見かけるようになりました。そのこと自体は否定も肯定もしませんが、短期間で気持ちが燃え尽きたり、怪我や故障をしたりと、様々なトラブルに遭遇してしまう市民ランナーも意外と多く見かけるようになってきたのも事実です。

あらためて、古くて新しい考え方である「期分け」について考えていきます。

期分け・100

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【期分け・100】いよいよ本格的なマラソンに向けた走り込み期に入っていきます。特に、10月は年間を通じて最も走り込みに適した月のひとつと言われております。今回は、その10月の走り込みをより充実したものにするための注意点を考えていきます。

はじめに、ここで言う「10月の走り込み」を実施していく上での前提条件として、次の3つをあげておきます。もちろん、その条件を満たしていなくても問題ありませんが、より安全(無故障)に充実した走り込みにしていくための条件と捉えてください。

◆前提条件1).7月から9月の暑い中、予定どおりのトレーニング計画をほぼ継続してきた。◆前提条件2).特に、9月中に故障や怪我もなく今現在も健康である。◆前提条件3).目標とするマラソン大会が11月から12月である。

要は、9月中に故障をしてほとんど走り込めていないランナーや年内に目標とするマラソン大会が無いランナーは、同じ走り込みでも内容を見直した方が賢明と考えます。まずは、この点をそれぞれが確認した上で10月の走り込みを実施してほしいところです…。

次に、10月の走り込みが夏の走り込みと違う点として、単にゆっくり長く走るのではなく、目標のマラソンタイムをターゲットにした設定タイムで目的の距離を走り込んでいくことです。具体的には、30kから40kをメインに走り込んでいきます。

そして、最も重要な点は、どんな設定タイムで走り込んでいくかです。このブログに何度も記載しておりますが、この点を間違えると怪我や故障に直結していく可能性が高くなるので、ゆとりある適切な設定タイムを意識していく必要があります。

具体的な設定タイムの手掛かりとしては、スピード養成期(4月~7月)に出場した5kから10k(※)のタイムを基準として考えていくのが前提となります。もちろん、直前の9月までに出場したレースのタイムから判断しても構いません。※ハーフマラソンのタイムから判断していくことも可能ですが、前半(15k手前)から失速した場合のタイムを参考にしていくのが難しいので注意が必要。

同時に、マラソンの目標タイムを設定する際、自分自身の目標と思っている場合でも、単なる希望的な記録だったりするので、しっかりと現状分析を実施し、それを自分自身で受け入れる勇気が最も大切になってきます。

なぜなら、マラソンは憧れや願望だけでは、目標を達成することが難しいスポーツなので…。

期分け・99

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【期分け・99】9月に入り、厳しかった暑さも幾分和らいできた感じです…。そして、いよいよマラソンシーズンへと入っていきます。同時に、マラソンを意識した本格的な走り込みの季節にも突入です。

かくいう私が主宰する富津合同マラソン練習会も、9月から秋季シリーズがスタートします。そして今回、千葉県富津市において本格的な走り込みに入るために最後の基礎固め的(土台つくり)な意味も含め、9月13日(土)から9月15日(月・祝)の3連休を活用して合宿を実施しました。

合宿地は長野県菅平高原です。毎年、7月と8月に必ず合宿を実施する場所でもありますが、9月に菅平高原で合宿を実施するのは今回がはじめてです。実は、皆さんも経験していると思いますが、ここ数年の9月は残暑が厳しく、地元での走り込みが暑さのために過酷を極めている状況でした。そこで、今年は9月に涼しい場所で40k走を1本実施することを、昨年の夏から決めていたのです。

今回の合宿で実施したトレーニング計画は次の内容です。

◆初日(13日):午後/90分から120分LSD(各自の調子に合わせて)。◆2日目(14日):午前:40k走(4分10秒/k、4分30秒/k、5分00秒/k、5分30秒/k、6分00秒/kの5グループで実施)、午後/90分から120分LSD(各自の調子に合わせて)。◆3日目(15日):早朝/各自フリージョグ(各自の調子に合わせて)、午前/1000m×5本(4分30秒/cycle、5分30秒/cycle、6分30秒/cycleの3グループで実施)。

もちろん、合宿最大の目的は、2日目午前の40k走です。同時に、この40k走を確実に走り切り、これからのマラソントレーニングへ移行するために、設定タイムをいつもの富津練習会より更に落とし、グループ別にスタートさせました。そのグループ別の設定タイムとマラソンベストタイム(ゴールの実績タイム)は、次のとおりです。

◆4分10秒/k グループ:マラソンで2時間30分以内相当(2時間44分7秒)。◆4分30秒/k グループ:マラソンで2時間30分から2時間50分相当(3時間1分23秒)。◆5分00秒/k グループ:マラソンで2時間50分から3時間10分相当(3時間18分4秒)。◆5分30秒/k グループ:マラソンで3時間10分から3時間30分相当(3時間35分22秒)。◆6分00秒/k グループ:マラソンで3時間30分以上相当(3時間53分1秒から3時間53分38秒)。

いかがでしょうか?かなり遅いと感じませんか?

今回、40k走に挑戦した40数名のランナーたちが、ほぼ全員が脱落することなく、最後まで確実に走りきることができたのは、このゆとりある設定タイムとグループ別にしっかりとしたペースメーカーを配置したからなのです。

特に、これからマラソンシーズンを意識した走り込みを実施していく上で、最初の距離走(30kから40k)を確実に走りきることはとても重要です。実は、秋のマラソンや冬のマラソンで失敗を繰り返している市民ランナーの多くが、この最初の距離走を失敗し、そのまま悪循環に陥っているケースは意外と多いのです。

期分け・98

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【期分け・98】今回は、夏の走り込みについてのまとめとなります。いろいろと話しをしてきましたが、最後は週末を活用し、涼しい高原(高地)等で実施する短期合宿についてです。もちろん、思い付きで土地勘も無い場所へ出向いていくことはおすすめできませんが、諸問題を解決している場合は、是非とも実施してほしいと考えます。

しかし一方で、短期間で涼しい高原(高地)等を走っても効果が無いと考えるランナーもいるかもしれません。実際に、ひと昔前はそのように言われていましたが、最近の研究では短期間の高地トレーニングでもそれなりに効果があるとの報告もあります。詳細は割愛しますが、暑い場所で苦しむより、涼しい高原(高地)等で走り込む方が精神的にもリフレッシュできます。

では早速、高原(高地)等での短期合宿についての具体的なトレーニング計画を考えていきますが、はじめに何を目的にわざわざ遠い高原(高地)までいくかです。短期間と言いいながらも「走り込み」なのか、「スピード強化」なのか、それとも…。実は、この目的が曖昧になる市民ランナーが多いのと、現地入りしてからトレーニング計画をガラリと変更してしまう市民ランナーも意外に多いと感じます。

要は短期合宿の場合、あれもこれも実施する時間が無いのと、体力的にもハードになってしまうので、目的を明確に絞ってから現地入りするのが間違いありません。そして、夏の短期合宿は、「走り込み」がメインとなり、秋からのマラソンシーズンに向けても良い流れとなります。まさに、「スタミナ養成(土台づくり)」です。

そして、そのポイントは大きく3つです。

◆ポイント1).ゆっくり長く(LSD)。◆ポイント2).設定タイムを落とす(距離走&ペース走)。◆ポイント3).起伏を活用(クロカン)。

何と言ってもまずは「ゆっくり長く走る(LSD)」ことが、第一歩となります。高原と言っても標高が千メートルをこえてくるので、人によっては調子が上がらない場合も少なからずあります。そんな場合も、ゆっくり動き続けることができれば、短期合宿の目的は十分に果たすことができます。

次に、距離走やペース走ですが、どうしてもいつもと同じペースにしたり、仲間と競い合ってペースを上げ過ぎるケースは本当によく見かけます。その結果、一緒にスタートした仲間全員が失速し、「誰も最後まで走り切れなかった」何てパターンも意外と多いのです。これでは、何のための短期合宿なのか、目的すら分からなくなります。そこで、効果的な具体的方法として、普段実施している距離走やペース走の設定タイムから「30秒/k」程度遅くします。更に、仲間と一緒に最後までじっくりと、余裕を持って走り切るようにします。この時、スタート直後は「こんなに遅くて良いの?」と感じますが、後半はボディブローのように効いてきます。まさに、遅くても効果的なのです。

最後に高原(高地)は、どうしても平地部分が少なく、どこを走っても起伏があります。そこで、その環境をうまく活用し、積極的にその起伏を走るようにすることで、脚筋力の強化にもつながります。もちろん、クロカンコースがあれば積極活用し、登山道やハイキングコース等が設置されているなら、そのコースをゆっくり走ることも効果的と考えます。そして、このときも怪我や故障防止の視点からもペースを絶対に上げないことがポイントとなり、途中で苦しいと感じるなら歩いても十分に効果があります。

期分け・97

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【期分け・97】実業団選手や箱根駅伝選手たちとの相違点である、3つ目について考えていきます。まずは、3つ目の相違点を振り返ってみます。

◆相違点3).いつもと同じ環境の中で暑さ対策を考えていく必要がある。

少し、ネガティブな感じですが、多くの市民ランナーは、実際に涼しい高原等での長期合宿(短期も)を実施することは難しい環境です。したがって、今ある環境の中で何か対策を考えていく必要があります。もちろん、気温が35度をこえるような猛暑の中で走り込むことは、健康的ではありません。

しかし、暑いので何もしないでは、マラソンを目指すと言う意味では逆に「走力の衰え」にもつながっていきます。まさにこの矛盾との戦いが、暑さを克服していくポイントとも言えます。

そこで、具体的な暑さ対策をいくつかあげてみます。

◆対策1).涼しい時間帯を有効活用。

特に、涼しい早朝に走ることを強くおすすめします。なぜなら、早朝練習を実施するには起床時間を決める必要があります。同時に夜更かしができなくなります。そのため、ランナー的生活の基本である「規則正しい生活習慣」を身につけることにもつながります。実は、「規則正しい生活習慣(早朝練習)」を定着させる季節としては、逆に夏が最適なのです。

◆対策2).距離より時間で管理。

気温の高い中において、長距離を走ることは様々なリスクがあります。特に、暑い中において30kとか40kと、走る距離を決めてスタートすることはとても危険です。なぜなら、距離を決めるとペースが気になり、結果的には涼しい季節との比較になってしまい、肉体的にも精神的にもリスクが高くなるからです。そこで「何分走る」と、暑い夏は時間管理にシフトし、ゆっくり動き続けることを意識しながらマラソンに必要不可欠なスタミナの土台をつくることに主眼を置くようにします。もちろん、途中でウォーキングを取り入れ、ランニングと交互に繰り返すことも暑さ対策としては効果的です。

◆対策3).給水の確保。

何と言ってもこれが最重要ですね。特に、多くの市民ランナーは単独で走り込むことが多いので、給水対策も自分自身で考える必要があります。具体的な対策例として、予め給水を準備し、ランニングコース上に置いたり、人目につかない場所に置いたりしますが、肝心な時に準備していた給水が紛失していた話しは良く聞きます。そこで、夏は予めランニングコース上を下見し、自動販売機やコンビニがどこにあるかを確認しておき、小銭を持って走ることをおすすめします。これは、万が一体調不良になった時、助けを求める意味で予防対策にもつながります。

以上、駆け足で暑さ対策について話しをしてきましたが、年々暑さが厳しくなってきているようにも感じます。とてもランニングどころでは無いと言うのが本音ですね。しかし、夏は秋からのマラソンシーズンに向けた基礎体力(スタミナ)を養成する大切な時期でもあります。したがって、上記したことにこだわらず、水泳や山登り等、夏に相応しいスポーツを積極的に取り入れていくことも暑さ対策としては正解です。暑い夏だからこそ、ランニング以外のスポーツにも視野を広げてみることは大切かもしれませんね。

期分け・96

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【期分け・96】引き続き、夏の走り込みについてです。前回は、「夏の走り込み」と言っても実業団選手や箱根駅伝選手たちとは相違点があり、具体例を3つあげました。今回もこの点についてもう少し考えていきます。

◆相違点1).長期合宿のために休日取得が難しい。

一般的な見方になりますが、ほとんどの方は有給休暇と言え、勝手気ままに取得することは難しいと思います。したがって、夏季でも週末を活用した短期合宿や練習会が、走り込みのメインとなります。そして、重要なポイントのひとつとして、短期合宿の場合、合宿地までの移動時間をしっかりと計算しておく必要があります。具体的には、早朝に自宅を出発しても午前中には余裕を持って到着できる移動距離が短期合宿地への移動範囲と考えます。もちろん、夏休みを活用し、2泊以上の合宿を実施する方もいるでしょうが…。

◆相違点2).合宿をサポートしてくれる仲間や環境を確保することが難しい。

合宿地を決めたら、次に宿泊先や現地までの移動手段を確保する必要があります。同時に、うまく確保できた場合、現地に移動してからの動きが重要になります。具体的には仲間から合宿の話しだけ聞き、現地での土地勘が薄い方々だけでいくと、「どこをどのように走るのか」、「聞いていたクロカンコースまで遠すぎて移動できない」等々のトラブルが必ず発生します。同時に、現地練習での給水や備品等の段取りも意外と大変です。

以上の2点については、走り込み以前の話しになります。しかし、物事は何でもそうですが、段取りが大切です。実は、実業団チームや箱根駅伝を目指す大学チームには、優秀なマネジャや主務と言われる専門の裏方が必ず常駐しています。そして、合宿はもちろん、ありとあらゆる段取りやサポートを仕切っています。

したがって、選手たちは、常に「走ること」だけに没頭できます。コーチは、常に「選手を観察」することに没頭できます。このように、強くて安定しているチームには、必ず優秀な裏方がいるのです。

ところが、一般的な市民ランナーの短期合宿や練習会に、このようなサポートできる方を常駐させることは相当難しいと思います。そのため、短期合宿を企画する際はこの点を十分に吟味し、合宿地に精通した仲間の確保や現地での移動手段に必要な車や自転車、練習に必要な給水等の備品をどのように準備するかを、まずはじっくりと吟味することが短期合宿への第一歩となります。

つづく。

期分け・95

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【期分け・96】いよいよ8月に突入し、暑い日々もまだまだ続きそうです。ランニングにとっては過酷な季節が続きますが、走らない訳にはいきません。また、10月以降からはじまる秋のマラソンシーズンに向け、そろそろ走り込みを開始していく季節でもあります。

もちろん、本来なら運動を控えなくてはいけない季節でもあります…。また、これまでもこのブログで何度も取り上げてきましたが、あらためて今回から秋のマラソンに向けた「夏の走り込み」について考えていきます。

はじめに、「夏の走り込み」と聞くと、何をイメージするでしょうか。多くの方は涼しい高原や北海道等で走り込みをしている実業団選手や箱根駅伝選手の姿をイメージすると思いますが、いかがでしょうか。

実際に彼らは暑くなる夏の期間は涼しい場所で長期合宿をしながら走り込んでいきます。その月間走行距離は、箱根駅伝を目指す学生選手でも千キロを軽く超え、マラソンを目指している実業団選手に匹敵する距離を走り込んでいます。

そして、夏の走り込みで培ったスタミナを土台にし、涼しくなっていく季節に沿って量から質へとトレーニング内容を移行していきながら狙っている駅伝やマラソンに仕上げていきます。この大まかなトレーニングの流れや考え方は、市民ランナーも同じになります。

ところが、一般的な市民ランナーのほとんどは、仕事や家庭がメインとなり、ランニングは余暇となります。したがって、実業団選手や箱根駅伝選手たちのように、夏の間涼しい場所で長期間徹底的に走り込むことは、事実上不可能と言ってよいでしょう。

つまり、同じ「夏の走り込み」と言っても市民ランナーの場合、その内容や方法に相応の違いが出てきます。まずは、その相違点をいくつかあげてみます。

◆相違点1).長期合宿のための休日取得が難しい。◆相違点2).合宿をサポートしてくれる仲間や環境を確保することが難しい。◆相違点3).いつもと同じトレーニング環境の中で暑さ対策を考えていく必要がある。

皆さんは、いかがでしょうか。もちろん、上記した3つとは無縁の市民ランナーもいることでしょう。しかし、仮に長期合宿が可能となり、涼しい環境で走り込めたとしても、今度は逆に慣れない環境下で一気に走り込んだ結果、怪我や故障に直結するケースも意外と多いのも事実です。

次回は、この点も含めて更に考えていきます。

つづく。

期分け・94

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【期分け・94】ここまで「スピード養成期」としてトラックレースへ積極的に出場する話しをしてきました。具体的に何分何秒の設定タイムでどのように走るかの話しより、我慢とか忍耐と言ったような話しに終始してきた感はあります。

もちろん、トラックでしっかりと自己記録更新を目指していくためには、マラソン同様に綿密なトレーニング計画が必要不可欠である点は違いありません。しかし、今回に関しては、トラックレースの経験が少ない市民ランナーの方々がどのようにトラックレースを捉えるかに視点を置きました。

その結果、マラソンやロードレースとは違う「苦しさ」や「緊張感」を体感できることが分かりました。それは、単に苦しいと言った感覚だけでなく、ある一定のペースで長く走っていくマラソンの苦しさとは違いました。

特に、マラソンの記録が停滞気味になっている方や単に長く走るトレーニングを軸に走り込んできたランナーにとってその苦しさも、逆に新鮮だったのではと思いますが、いかがでしょうか。

さて、ランニングをはじめた当初のように、走り込んでもマラソンの記録が短縮できないとか、いくら走り込んでも目に見える成長を感じられなくなることを、「プラトー現象(停滞期)」とも言います。

実は、マラソンだけでなく物事がひたすら右肩上がりに成長していくことはほとんどありません。必ず、怪我や故障をしたり、それを通じて気持ちが萎えたりと、停滞する時期が必ず存在します。例えるなら階段の踊り場のような位置でしょうか。

このように、プラトー現象(停滞期)に陥ると、モチベーションが下がり、走ることへの意欲も低下して更に走れなくなる…等の悪循環にも陥り易くなります。これは、実業団選手や箱根駅伝選手にも見られる現象であり、休養や気分転換、あるいはトレーニング方法の見直しをすることによって、克服できることでもあります。

すなわち、トラックレースを積極的に走ることで、これまで経験したことのない苦しさや緊張感を体感することは、プラトー現象(停滞期)から抜け出すキッカケをつかんだり、陥らないための予防策にも活かせるのではないでしょうか。

単に、スピード養成するためにトラックレースを走るのではなく、走ることに対するマンネリ化やモチベーション低下を打開するヒントも、トラックレースにはあると考えます…。

つづく。

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