Home > スピードトレーニング

スピードトレーニング Archive

再びトレーニング計画・8

h22-6-3-1h22-6-3-2h22-6-3-3

「スピード養成期は、短い距離のレースを積極的に走ることが効果的」と、話しをしました。ところが、これからレースを探すとなると、ほぼ間違いなく夏以降になってしまいます。もちろんそれでは、これまで同様?場当り的なトレーニング計画となってしまい、わざわざ期分けする必要も、意味もなくってしまいます。

では、レースの申し込みが間に合わなかった人や、申し込んだレース数も極端に少ない人はどうすれば良いのでしょうか?更に、ランニングブームの影響で参加申込者が殺到し、レースの申し込みができなかった人は、どうすれば良いのでしょうか?

・・・と言いながら実は、それらの問題をあまり難しく考える必要はありません。なせなら、レースと同じように、「正確な距離をスタートから積極的に走るトレーニング」を実施すれば良いからです。つまり、それに相当するトレーニングとは即ち、「タイムトライアル」となります。

タイムトライアルとは、正確な距離をレース同様、目標となる記録を目指してスタートから積極的に走るトレーニングです。そのため、とても負荷のかかるトレーニングであり、スタート前はレース以上に緊張する場合もあります。しかし、レースを走ったときと同様な効果も期待できるのが特徴です。

次に、タイムトライアルは、どの程度の距離を実施すれば良いのでしょうか?

もちろん、レースと同じ距離を実施できれば良いのですが、私の経験も含め、タイムトライアルで10k以上の距離を集中して走ることは、かなり難しいことです。しかも、平日のアフターファイブは集中力も切れ易く、長くなると失速する確率が更に増していきます。

そこで、これらの問題を可能な限り回避し、なおかつマラソンにつながるタイムトライアルの距離を考えた場合、実は「5k(5000m)」となります。

その理由として、マラソンを攻略していく上でひとつの目安となるのが、10kのスピードです。そして、その10kを攻略していく上でひとつの目安となるのが、5kのスピードとなります。以前にもこのブログに記載しましたが、「(5kの記録×2倍)+1分=10kの記録」となります。そして、「10kの記録×4.6~4.9(持久系数)=マラソンの記録」となり、マラソンの基礎となる距離は5kとなるのです。※詳細は割愛します。

スピード養成期のレースをまとめると、◆1).レースなら5k~10k程度の距離が効果的。◆2).レースに出場できない場合は、定期的なタイムトライアルで補い、その距離は5kが効果的。

つづく。

再びトレーニング計画・7

h22-5-27-11h22-5-27-2h22-5-27-3

年間を通じて10kより短い距離のレースを敬遠傾向にある市民ランナーは意外に多く、マラソンの記録が停滞するひとつの原因になっているのでは?

それは、燃料タンク(スタミナ)の容量を大きくするためのトレーニングやレースが中心となり、排気量(心肺機能)をアップさせることが疎かになっているから?

以上のような話しを前回しました。では、10kより短い距離のレースを走ることはマラソンと、どんな点が違うのでしょうか?・・・幾つか思いつく点を書き出してみます。

◆1).スタートから速いペースで走りだす(手足を素早く大きく動かす)。◆2).脚にダメージがくる前に、前半から心臓がバクバクして苦しくなってくる(呼吸が「ゼーゼーハーハー」となる)。◆3).後半は手足がしびれたような感覚も出てきて、うまく動かせなくなってくる(乳酸が蓄積されてくる)。・・・以上のように大きく三つのことが直ぐに思いつきますが、皆さんはいかがでしょうか?

もちろん、ゆっくり長く走り続けても上記のような状況になることは、ほとんどありません。むしろ、ゆっくり長く走るトレーニングが中心になっている人の多くは、短い距離のレースを走っても上記のような状況を体感できない人もいます。別の見方をするなら、呼吸が苦しくなる状態まで手足を動かすこと(追込むこと)が、できないとも言えます。また、走る距離を短くしていってもそのペースは、常にマラソンと同じになってしまう人も意外と多く見受けられます。

実は、それらのことがマラソンの記録を停滞させる大きな原因のひとつなのです。つまり、スピードが無いのではなく、「スピードの出し方を身体が覚えていない」のです。そこでこのスピード養成期は、短い距離のレースを積極的に走ることで、スピードを上げて走ること(追込むおと)を体感し、その動きを覚えるのと同時に心肺機能もより高めることを目的としていきます(単に短い距離の記録更新を目指すのではありません)。

短い距離のレースを積極的に走ることとは即ち、◆4).手足を大きく素早く動かすことで、逆にランニングフォームの改善と安定につながる。◆5).ゼーゼーハーハーと苦しむことで、心肺機能の強化につながる。◆6).手足がしびれるような状態から更に頑張るので、乳酸に対する緩衝能力が高まり、持久力のアップにつながる。※専門的な話しは割愛します。

スピード養成としてとらえた短い距離のレースは、マラソンのようにペース配分や設定ペースを細かく考えるより、スタートから積極的にスピードを上げて走ることが重要なポイントのひとつなのです。

つづく。

再びトレーニング計画・6

h22-5-20-1h22-5-20-2h22-5-20-3

引き続き「スピード養成期」のレース選択についてです。さて、前回は「短い距離のレースを敬遠傾向にある人が意外に多い」と、話しをしました。では、10kより短いレースに出場することが、スピード養成につながるのでしょうか?

その前に、そもそもスピード養成とは、単に短い距離を速く走れるようにするためのことなのでしょうか?

話しは前後しますが、スピードとスタミナについてのイメージをあらためて簡単にまとめてみます。最初に、自分自身の身体を自動車に例えて、次のようにイメージしてみます。◆1).スピードが出せる=エンジンの排気量が大きい(心肺機能)。◆2).長く走れる=燃料タンクが大きい(脚力)。

もちろん専門的な見解とは違っている部分もありますが、上記のように大きく二つをイメージして下さい。そして、自分自身の身体を軽自動車に例えるとしたなら、排気量は660ccと小さいのですが、近所を走りまわるには、とても燃費が良く効率的です。

ところが、高速道路を使って遠い場所へ移動したとします。このとき、近所を走っていたときには感じなかったことを幾つか感じるはずです。◆3).遠くに速く到着しようと、スピードを上げて走行すると、排気量が小さいこともあり車体の安定性に欠け、長時間の運転は疲れやすい。◆4).燃費そのものは良いのだが、燃料タンクが小さいので、遠くへ移動する場合、途中で何度か給油する必要があり、結果的には到着時間も遅くなる。

以上の点については、誰もが感じることと思います。そして、これらの問題を解消する方法は至極当然のことながら、排気量と燃料タンクの大きな自動車に乗り換えることですね。

では、上記の例を再び人の身体に戻して考えたとき、実は同じようなことになります。つまり、遠くに移動することをマラソンとし、そのマラソンを速く走りきるためには次の要素が必要不可欠になります。◆5).エンジンの排気量をアップする=心肺機能をアップする。◆6).燃料タンクを大きくする=脚力(スタミナ)をアップする。

実は市民ランナーの多くは、上記◆6を目的としたトレーニングに終始しているケースが一般的な傾向なのです。具体的な例として、日々のトレーニングは仲間たちと常にゆっくり長く走ることがメインとなり、レースについては年間を通じてハーフマラソン以上の距離が中心になっているケースです。

その結果、一年間にマラソンを何度も完走したり、マラソン以上のウルトラマラソンに挑戦したりと、驚異的なスタミナを身につける人も見受けられます。ところが、マラソンの記録については、ある記録で頭打ちとなり、たくさん走るほど停滞してしまう人も意外と多いのです。

その原因のひとつとして上記の自動車に例えるなら、燃料タンクを大きくすることが中心となり、もうひとつの排気量をアップするトレーニングが圧倒的に不足しているからなのです。

さて、皆さんはいかがでしょうか?

つづく。

再びトレーニング計画・5

h22-5-11-11h22-5-11-2h22-5-11-4

今回からスピード養成期のレース選択について考えていきます。

さて、マラソンを完走したことのある皆さんは、初レースはどんな距離だったでしょうか?5kや10k以下の短い距離のレースでしょうか?あるいは、最初からマラソンに挑戦したのでしょうか?

個人的には、マラソンブームの影響も手伝って、初レースからハーフマラソンやマラソンに挑戦する人が多くなったと感じているのですが、いかがでしょうか?一方で、最初は5kや10k以下の短い距離のレースに出場するのですが、一度マラソンを経験するとハーフマラソンより短い距離のレースを敬遠する人は、もっと多くなったと感じます。

それは、このマラソンブームにより、全国各地で開催されるマラソン大会が増えた影響も大きく、年間を通じて誰でも手軽にハーフマラソンやマラソンを何度も走ることが可能になったことでもあります。

実は、このように一度マラソンを経験した後、ハーフマラソンより短い距離のレースを敬遠する人は、ランニング歴の浅い人ばかりでなく、サブスリーを達成しているようなベテランランナーの人にも多く見受けられます。

そして、このような人たちに多い傾向として、もう何年もの間、マラソンの自己記録更新を達成できずにいるケースです。具体的には、2回目から3回目のマラソンでマークした自己記録を長く更新できないでいるパターンです。そして更に、日々の走行距離を増やしているのにも関わらず、それが記録更新へと結びつかないどころか、故障や怪我を繰り返していく負のスパイラルに苦しんでいる人もいます・・・。

このように、マラソンの記録更新を大きな目標に掲げ、年間を通じて何本もマラソンを走ることが逆に仇となり、長期低迷につながっている人が意外と多いのも事実です。同時に、年間を通じて多くのマラソンを走ることで、マラソンに対するモチベーションが著しく低下したり、バーンアウトしてしまう人も残念ながら見受けられます。それは、長期低迷ではなく、好きではじめたマラソンを長期離脱することにもなりかねません。

そんなトラブルを防止する意味からもこのスピード養成期のレース選択は、マラソンを目標としていく上で、とても重要なポイントにもなるのです。

つづく。

再びトレーニング計画・4

h22-5-6-1h22-5-6-2h22-5-6-3

今年のGWは記録的な晴天に恵まれましたが、予定どおりのトレーニングは実施できたでしょうか?また、GW中のレースでは目標タイムを達成することはできたでしょうか?

さて、スピード養成期をトレーニングとレースの両面から考えていく前に、参考例として私がコーチする女子選手たち(市民ランナー)が、GW中にスピード養成期の一環として出場したレースを簡単に振り返ってみます。

◆2010年4月29日~5月5日レース実績(女性市民ランナー)    
  選手名 マラソン記録    4月29日    5月1日    5月2日    5月4日    5月5日
 1 M ・ K A   2.55.21 ◎10.54/3k        →        →        → ○18.43/5k
 2 M ・ S A   2.54.07        →        →        → ●38.47/10k        →
 3 M ・ Y A   2.52.09 ◎31.01/8k        →        → ●38.01/10k        →
 4 A ・ K A   2.49.24 ◎19.11/5k        → ○18.55/5k        → ○19.28/5k
 5 M ・ K O   2.38.51 ◎27.38/8k ○9.28/3k        →        →        →
  ◎=駅伝、○=トラック、●=ロード、→=出場無      

上記に記載した5名の女子選手たちは、マラソンをサブスリーで走る市民ランナーです。初心者の人からすると、ある意味、速すぎて参考にならないと思ってしまうかもしれません。しかし、彼女たちも最初からサブスリーを達成できたのではなく、地道な走り込みを一年間継続することからはじめ、それを何年も積み重ねてきた成果なのです。

そして、そのトレーニングの基本となる考え方が期分けです。もちろん、5選手たちの年間目標は間違いなくマラソンです。この大きな目標に向かっていくための第一ステップとなるのが、このスピード養成期となります。

最初にこの点をしっかりと理解した上で、5選手たちのレース結果を簡単に振り返ってみます。※GW中は、連日30度前後の厳しいコンディションとなり、記録的には低調でした。

◆1).M・KA選手:3月のマラソンは不調だったが、その疲労もうまく抜けており、トラックの5千メートルで久々の自己記録更新を狙えるスピードが戻りつつある。◆2).M・SA選手:2月に脚の違和感を感じ、狙っていた3月のマラソンを泣く泣く断念。その後、脚も順調に回復し、4月の5千メートルでは自己記録を更新。現在は、5選手の中で最も好調。◆3).M・YA選手:2月のマラソンで自己記録更新後、持病の貧血が出て、4月中旬まで回復優先メニュー。ようやく貧血も改善し、このGWで調子も徐々に回復。6月のレースは期待大。◆4).A・KA選手:狙っていた3月のマラソンが悪天候のため中止となり、肉体的にも精神的にも落ち込んでいた。しかし、4月からレースに積極参戦することで、調子を戻しつつある。◆5).M・KO選手:2月マラソン後、思い切って練習を落としたことが良いリフレッシュとなり、スピードアップにつながっている。

以上がコーチの視点から見た各選手の状態です。更に5選手たちに共通しているのは、マラソン結果の良し悪しに関係なく、スピード養成期への切り替えを自ら積極的におこない成果をあげている点です。それは、5選手たち全員が、期分けについての意味やスピード養成期の目的や重要性をしっかりと理解し、それを実際の行動(トレーニング)に移行できるからなのです。

つづく。

再びトレーニング計画・3

h22-4-28-1h22-4-28-2h22-4-28-3

今回から「スピード養成期」のトレーニングについて、ふたつの視点から考えていきます。それは、日々のトレーニングと週末を中心に出場する各種レースについてです。

実は、市民ランナーの人たちに意外と多いのは、スピード養成期として日々のトレーニングをスピード重視にシフトしたにも関わらず、週末のレースは年間を通じてハーフマラソン以上の長い距離を中心に走っているパターンです。

もちろん、その走り方を否定する訳ではありません。しかし、トレーニングを量から質へとシフトしたのに、長い距離のレースを中心に走り続けることは、至極当然のことながら故障や怪我のリスクが高くなり、効果的ではありません。同時に、季節的にも気温や湿度が一気に高くなってくるので、30k以上の走り込みや長い距離のレースでは、記録短縮が難しい傾向になります。

そのため、トレーニング内容とレース結果とのギャップに悩み、ランニングに対するモチベーションが低下していく人も多く見受けられます。そしてその結果、精神的に燃え尽きてしまい(バーンアウト)、ランニングそのものからも遠ざかっていく市民ランナーの人が多いのも、意外とこの時期なのです。(私の経験上)

皆さんは、いかがでしょうか?

このように、単にトレーニングを量から質へとシフトさせるだけでなく、出場するレース自体も短い距離へとシフトさせることが、この期の重要なポイントとなります。具体的には、10k前後以下のレースがひとつの目安となってきます。それは単に、ロードレースだけでなく、市民ランナーの人たちには馴染みの薄いトラックレースにも目を向ける良い機会になるからです。

以上のことをまとめると、スピード養成期のトレーニングポイントは、次のように集約されます。

◆1).日々のトレーニングを量(走行距離)から質(スピード)へとシフトさせる。◆2).出場する各種レースは、10k前後以下の距離とし、可能ならトラックレースにも出場していく。(各種駅伝大会も含む)

次回からは、このふたつの点に絞って更に考えていきます。

つづく。

トレーニング計画・7

前回に引続きインターバルトレーニングの話です。今回は適切な設定タイムとリカバリー(休息)についてです。では、最初に何を目安に設定タイムを決めれば良いのでしょうか?

実はこの点をあまり明確にせず、ただ何となく走るかたがほとんどかと思いますが・・・、いかがでしょうか?そして、とにかく苦しければ効果があると思っているかたも結構いますが・・・、いかがでしょうか?

と言いながら、各人のレベルに合った適切な設定タイムを決めるのはベテランのかたでも難しく、追込み過ぎたら故障し、軽過ぎたら効果が薄いと絶妙です。そこで、ひとつの目安として、10kのベストタイムから1割程度速くしたタイムを設定タイムの目安にすることをおすすめします(心拍数等を目安にする方法もありますが、今回は割愛します)。

例として10kを40分で走るかたなら、1割速い36分がベースとなります。これを200mから400mあたりに換算したタイムがインターバルトレーニングの設定タイムとなります。具体的には、◆200m=40秒から43秒前後、◆300m=64秒から67秒前後、◆400m=86秒から90秒前後、・・・となります(もちろん個人差がありますので予めご了承下さい)。

次にリカバリー(休息)です。実はインターバルトレーニングの最も重要なポイントはこのリカバリーなのです。いくら設定タイムを速くしたとしても、このリカバリーをしっかりと管理できていなければインターバルトレーニングの効果は期待できません。そのくらいリカバリーが重要であることを、まずは頭に入れておいてほしいと思います。

そのリカバリーですが、疾走する設定タイムと同じ時間のリカバリーが最初の目安となります(1対1が基本)。上記の設定タイムで言うと、◆200=40秒から50秒、◆300m=60秒から70秒、◆400m=80秒から90秒、・・・となります。また、リカバリーをジョギングでつないでいくケースが一般的ですが、市民ランナーのかたの場合、その方法だと正確な休息時間を管理することが難しくなるケースが多々あります。そこで走り終えた地点で休息し、その地点から次をスタートする方法をおすすめします(リカバリーの時間を管理し易く、一定に保てて効果的)。

そして、いよいよインターバルトレーニングをスタートした時、最初から適切な強度と負荷になれば良いのですが、ほとんどのかたが楽に感じたり、辛く感じたりします。そこで必ず設定タイムやリカバリーの微調整が必要不可欠となり、ここが大切なポイントのひとつとなります。

まずは辛く感じた場合です。実はこの辛いと感じる地点が、トータル距離の7割から8割程度の地点なら逆に適切な強度と負荷と言えるので、この場合なら最後の数本を我慢して頑張って下さい(笑)。しかし、その手前から設定タイムを維持することが困難な場合は、やはり設定タイムが速過ぎる傾向にあると言えます。この場合は、設定タイムを2秒ずつ落とし調整します。特に、400mより短い距離では、たった2秒の変化でも身体で体感することができますので、是非ともこの体感を経験してほしいところでもあります(ペース感覚を身に付ける練習にもなります)。

次に楽に感じた時ですが、この場合は設定タイムではなく、リカバリーの時間を短くしていきます。具体的には10秒単位で短くしていき、トータル距離の7割から8割程度あたりから辛くなってくるように調整していきます。

・・・と、言葉で言うと簡単ですが、実際に走ると設定タイムをキープすることもかなり難しいことです。そこで慣れるまでは、トータル距離の7割から8割程度の地点までは設定タイムを落とし気味に走り、余裕を持つようにします。そして、最後の数本は残った力を一気に吐き出す気持ちで頑張ります。これによりラストスパートのタイミングと走り方も体得していくことができます。また、翌日の疲労具合も都度確認し、翌週のインターバルトレーニングに活かしていくようにしましょう。

つづく。

トレーニング計画・6

今回は多くの市民ランナーの方々にとって、どの程度の強度や負荷をかけたインターバルトレーニングが適切なのかを考えていきます(毎度のことですが、必ずしもこれからお話しする内容が全ての方々に当てはまるとは限りません。あくまでも参考程度にして頂ければと思います)。

最初に最も基本的なことをお話しすると、練習は可能な限り継続していかないと効果がありません。よって、インターバルトレーニングを実施した翌日、筋肉痛が酷過ぎてジョギングもままならないと言った疲労感や、故障を誘発してしまうような強度や負荷では当然逆効果になってしまいます。と言って、翌日に全く疲労感のないような状態は、明らかに強度や負荷が足りない状態とも言えます。つまり、その日に怪我や故障をしてしまうような強度や負荷は無謀だが、翌日に疲労の残らない強度や負荷ではレベルアップしない。この矛盾にどう対応していくかが、インターバルトレーニングの最も難しい点のひとつです。

更にもう少し別の見方をした時、仮に適切な強度や負荷であったとしても、その距離や本数をある一定のペースを保ったまま集中力も切らさず、最後までやり遂げることができるかどうか。そして更に、1週間の流れのひとコマとして考えた時、翌週も同様な意欲を保ちながら同程度のインターバルトレーニングを継続することができるかどうか・・・。実はこの点をよく吟味せず、気持ちの向くままにインターバルトレーニングを実施した結果、故障を繰り返したり、走ることに対する意欲の起伏が大きくなってしまう市民ランナーの方が後を絶たないのも事実です(練習を継続できない)。

ではトータル距離が、どの程度のインターバルトレーニングであれば効果的なのでしょうか?

前回は一般的にトータル距離が、5k前後になるインターバルトレーニングが有効的であると話しをしました。しかし、ほとんどの市民ランナーの方にとって、これでは距離が多過ぎてインターバルトレーニングを継続していくことが難しくなる傾向にあります。そこで具体的なトータル距離として5kの7割程度である3kから4k程度におさまるトータル距離をひとつの目安とし、怪我や故障に注意しながら走ることをおすすめします。また、1回に疾走する距離も400mを超えないようにすることもひとつのポイントです。それは、多くの市民ランナーの方がある一定のスピードと集中力を保って疾走できる距離が、400m前後までの方が多く、それを超えるとペースダウンするケースが著しく増加するからです。つまり、400mを超える距離ではペースダウンすることにより、適切な強度と負荷を心肺機能に与えることが難しくなるのです・・・。いかがでしょうか?皆さんの中にも当てはまる方はいませんか?

では上記の条件を加味した具体的なインターバルトレーニングの例を考えてみると、◆200m×15本前後。◆300m×10本前後。◆400m×8本前後。・・・以上のようになります。しかし、これでもやはり連続して走る本数が多過ぎる傾向にあります。それは本数が多過ぎるため、今度は集中力を持続できなるケースが多くなってくるのです。そのため途中から設定タイムを維持できずペースダウンし、決めた本数を最後まで実施できない可能性が高くなってきます。

そこで更に分割して、◆200m×8本×2セット。◆300m×5本×2セット。◆400m×4本×2セット。・・・このようにちょうど半分程度で一旦大きな休息をとり、再度後半を疾走することで、集中力をキープすることも容易になります(もちろん走力のある方、何度もインターバルトレーニングを経験されている方は、最後まで連続で実施しても問題ありません/水曜練習会参考)。

次回は、具体的な疾走する設定タイムとリカバリー(休息)の時間を考えていきます。

つづく。

ホーム > スピードトレーニング

Search
Feeds

ページの先頭へ