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富津合同マラソン練習会・3

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今回から富津合同マラソン練習会のメリットとデメリットについてを考えていきますが、メリットやデメリットと言っても、主宰している側が勝手に判断することではありません。至極当然のことながら練習会に参加した各ランナーが判断することです。

同時に、あるランナーにとってはメリットと感じても、別のランナーにとってはそう感じないこともあります。それは、メリットと感じることと、デメリットと感じることは、表裏一体でもあるからです。

そこで、富津合同マラソン練習会のポイント別にそのメリットと、デメリットの両面から考えていきます。※ポイント、デメリット、メリットの順に記載していきます。

◆ポイント1).富津合同マラソン練習会の練習会場は、交通量が少なく、100m毎にポイントした正確で平坦なコースを使用する。◆デメリット1).フラットコースのため、同じ距離でも起伏のあるコースに比べて負荷が軽すぎる。都内から練習会場へのアクセスが悪く、参加しにくい。◆メリット1).正確な距離を、正確なペースを確認しながら走ることができる。練習会に参加するためには、予め起床時間を決めることからはじまり、練習会場に移動するための交通手段を確認したりと、それなりの準備が必要となる。それは、マラソン大会当日と同様な流れとなるので、マラソン大会に参加するための貴重な予行にもなる。

◆ポイント2).距離走は、正確なペースを刻むペースメーカーが、グループ別にペースメークしながら集団で走っていく。◆デメリット2).設定ペース別で走るグループ数が限られているので、そのペースに該当しないランナーは参加しにくい。ペースメーカーの後ろについて走るだけなので、本当のペース感覚を自分自身でつかみにくい。◆メリット2).設定ペースが予め明確なので、目的意識を持って参加できる。現状の走力では難しいと思っているペースでも集団に引っ張られることで、ワンランク上の走りが可能となる。自分にとって速いと感じるペースを正確に体感できる。

◆ポイント3).面識のないランナーたちとも一緒に走るので、モチベーションを高めながら良い刺激を受けることができる。◆デメリット3).ペースメーカーがいるので、他のランナーたちと競い合うことが難しくなる。◆メリット3).ペースメーカーがいるので、集団のペースやリズムを他のランナーに乱される心配が少ない。正確なペースを刻んでいくので、ランナー同士の過当競争も少なくなり、練習のポイントや目的となる範囲を逸脱しない。

以上のように、大きく3つのポイントに絞ることができます。次回は、更に詳しく考えていきます。

つづく。

※写真は、新しい「チャンピオン・ランニングシューズ」です!

富津合同マラソン練習会・2

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今回から練習会について、私が主宰する富津合同マラソン練習会を実例に考えていきます。最初に、私が主宰している主な練習会はふたつありますので、それぞれを簡単に説明します。

ひとつは、毎週水曜日に開催している「水曜練習会」です。これについては、トラックでの練習会となり、内容もインターバルトレーニングが中心となります。即ち、スピード系の練習会と位置付けています。一方、もうひとつの週末に開催している「富津合同マラソン練習会」は、ロードやクロカンでのペース走やLSDが中心となり、持久系の練習会として開催しています。

また、水曜練習会については、年間を通じてトレーニング内容に大きな変化はなく、淡々と継続しているのが特徴です。しかし、富津合同マラソン練習会については、年間の四季に応じて、同じ持久系の練習会でもトレーニング内容や強度に変化を付けています。特に国内の場合、秋から冬にかけてが、主なフルマラソンシーズンとなります。そのため、富津合同マラソン練習会に関しても春から夏より、秋から冬にかけての季節がメインとなります。つまり、今月から開始した富津合同マラソン練習会をより重視することになります。

具体的には、今月からの富津合同マラソン練習会は「秋季シリーズ」と位置付け、11月中旬までのほぼ毎週末に連続して開催して行きます。そして、その秋季シリーズのターゲットは、11月下旬から12月上旬に開催されるフルマラソンの大会となります。

更に、年明けの1月からは「冬季シリーズ」として、3月中旬までのほぼ毎週末も同様に開催していきます。このシリーズでは、2月末から3月末にかけて開催されるフルマラソンの大会が主なターゲットになります。

このように、富津合同マラソン練習会の大きな特徴として、目指していくフルマラソンの大会時期を明確にした上で、計画的かつ連続で開催していくことです。そのことは至極当然のことですが、マラソン経験の少ない人たちにとっても、この練習会を活用することで、計画的な走り込みが可能になります。

もちろん、10kやハーフマラソン等を目標にしている人や、10月や12月下旬以降に開催されるフルマラソンの大会を目指している人たちにとっても、ちょうど良い練習会になっています。

次回は更に、練習会のメリットやデメリットについて考えていきます。

つづく。

富津合同マラソン練習会・1

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連日、厳しい残暑が続いていますが、夏も終わり9月に突入しました。そして、今月からは秋の本格的なマラソンシーズンに向け、とても重要な走り込み期となります。また、全国各地でマラソンに向けた講習会やイベント、更には各種練習会も数多く開催されるようになり、ランナーなら誰でもマラソンを意識する時期になっていきます。

かくいう私も千葉県富津市富津公園を拠点に、「富津合同マラソン練習会」を主宰しており、先日の日曜日から秋季シリーズを開始したところでもあります。もちろん誰でも気楽に参加できる練習会ですが、そのメリットやデメリットについて、よく吟味した上で参加している人は意外と少ないように感じます。

さて、皆さんは練習会に参加する目的や自分自身の走力等を熟慮した上で、それぞれの練習会に参加しているでしょうか?

また、様々な練習会に手当たり次第参加した結果、逆に自分自身の調子を崩したり、自分自身の身の丈に合った目標タイムが見えなくなったことはないでしょうか?

一般的に練習会は、各種講習会やイベントとは違い、目標のマラソン大会や目標の記録を目指すためにトレーニング計画を作成し、それに沿って走り込んでいきます。そのため、せっかく練習会に参加してもトレーニング内容やレベルが、自分自身の目的や走力とアンマッチしている人を見かけることもあります。

更に、ほとんどの人は週末の休日をメインにし、マラソントレーニングを実施しています。そして、そのトレーニングをより効果的に積重ねていくために各種練習会に参加します。ところが、自家用車や電車を乗り継いで遠くから参加したにも関わらず、その練習会をうまく活用できない人や、たった一回の練習会だけに満足し、トレーニングを継続できない人も過去にいました。

そこでもう一度原点にかえり、「富津合同マラソン練習会」を実例にし、次回から練習会について考えていきます。

つづく。

マラソン・10

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「最終調整(仕上)期」:目標のマラソン大会1週間前から前日まで。

ここまで、駆け足でマラソン練習について考えてきましたが、いよいよ最後の期となります。しかし、この期についても前期同様、とにかく休養第一になります。

ところで、皆さんは1週間前の練習は何を実施するのでしょうか?

ほとんどの人が、10kから20k程度のペース走を実施するのではないでしょうか。もちろん、私が指導する市民ランナーたちも、10kから15k程度のペース走を実施して最後の仕上としています。ところが、1週間後に走ったマラソン大会での結果については、残念ながら全員が笑顔になるとは限りません。

なぜ、同じにならないのでしょうか?

実は、前期から距離を落として各自の目標タイムに合った設定タイムを守ってきた人については、ほぼ間違いなく調子が上がってきています。たとえ本人にその自覚が無かったとしても、1週間前のペース走でそれを実感できる人がほとんどです。

マラソン大会1週間前の練習実績例として、◆1).調整のつもりで走った10k走で自己記録に匹敵するタイムで走れた。◆2).後半ペースアップしたら、いくらでもビルドアップできた。◆3).1週間前のハーフマラソン大会で大幅な自己新記録を達成した。◆4).15k走のつもりでスタートしたが、あまりにも軽かったので20kまで走った。・・・以上のような例を経験された人は多いと思います。実は、残念ながら上記の例はマラソンで失敗した人たちがよく話している内容です。※◆対策1).目標とするマラソンペース以上のスピードで追込むような走りはしない。最後まで余裕を持って走りきる。

また、逆に1週間前の10k走があまりにも調子が悪く、自分自身でも納得がいかないと、翌日の月曜日から水曜日にかけて、もう一度10k走にトライする人も意外と多くいます(追試)。この場合、更に失敗する確率が高まります。※◆対策2).追試は実施せず、勇気と決断を持って、狙っているマラソン大会での目標タイム自体を修正する。

マラソン1週間前は、どんな人でも前期以上にメンタル的(精神的)に不安定な状態になってきます。その結果、必要以上に速く走ったり、追試のような練習を急遽実施する人が多く、失敗を呼び込んでしまう人が後をたちません・・・。※不安症候群。

さて、今回もメンタル的な話が多くなりました。しかし、最終的に明暗をわけるのは、これまで積重ねてきたトレーニングや、それを継続してきた「自分自身を信じる力」の差ではないでしょうか。

そして、長期間のマラソントレーニングを通じて変化してきた自分自身の身体や気持ち。それを目標としてきたマラソン大会という発表会の舞台で出し切る達成感や感動こそが、マラソンの醍醐味なのです。

マラソン・9

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「第1次調整期」:目標のマラソン大会の3週間程度前から1週間前まで。

この期は、ペース走や距離走も20k程度までにとどめ、目標とするマラソンペースとほぼ同じ設定で実施します。もちろん調整段階に入ってくるので、この段階でスタミナが足りないからと言って、もう一度走り込むとか、40k走を実施すると言ったことは原則としてありません。調整のポイントは、走行距離を増やして調子を上げるのでなく、走行距離を落としながら調子を引上げていくことです。実は、狙ったマラソンで失敗してしまった原因の多くは、この期に走り過ぎてしまうことなのです。※「マラソン・4」より抜粋。

上記に記載したとおりですが、設定タイムや走り方については、前期とほぼ同じ考え方になります。サブスリー(3時間突破)を目指している人を例にあげると、距離も15kから20k程度に落とし、その設定タイムは4分15秒前後になります。また、余裕があったとしても設定タイムをキープし、残り数キロでペースアップする走り方に徹します。

さて、この期で最も注意するポイントが別にあります。それは、これまであまり考えていなかったことに対して、とても敏感になり、不安に感じてくることです(勝手に不安症候群と言っています)。具体的には、スタミナに対する不安、スピードに対する不安、体調管理に対する不安・・・。特に、目標のマラソン大会に向け、3週間程度を切ってくると、精神的に不安定になってくる人が突然多くなります。

その結果、思い出したように40k走を実施したり、タイムトライアルのようなペース走を実施したり、新発売のサプリメントを数種類服用したり・・・。そして、その多くの結末は、故障、風邪、バーンアウト・・・、更に目標のマラソン大会では後半失速・・・。

皆さんは、いかがでしょうか?

もちろん、私が指導している選手(市民ランナー)たちの多くも、この不安症候群を一度は経験しています。また、それを克服するのに、やはり数年の時間を要しているケースが多いのも事実です。

つまり、どんなに長期スパンでマラソンを目指したとしても、この期のトレーニング次第でマラソンの結果が決まると言っても過言ではないのです。すなわち、「迷ったら(不安になったら)休養」。このことを実行できるか否かが、重要なポイントとなります。

実際に、マラソン大会で後半大きく失速した人から話しを聞くと、「2週間前の20k走は、自己ベストとほぼ同じで走れたのに・・・」と、そんな内容をよく耳にします。まさに、2週間前は、不安症候群になっていたことの裏返しとも言えます。

このように、ほとんどの人は「休養=不安」と、感じるのではないでしょうか。少なくとも私はそうでした(涙)。だからこそマラソン3週間前からは「迷ったら(不安になったら)休養」と、強く意識していくことが必要と考えます。

つづく。

マラソン・8

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「第2次マラソン準備期」:目標のマラソン大会の5週間前から3週間程度前まで。

この期の設定タイムを簡単に説明すると、「前期より速い設定タイムで走るが、目標のマラソンペースよりは若干遅いペースで走るタイム」と、なります・・・。とてもわかり難い言い方ですね(笑)。

そこで、今回は具体的な設定タイムの導き方を説明していきます。そして、そのベースとなるのは自分自身が狙っているマラソン大会での目標タイムとなります。まずは、その目標タイムを明確にしておく必要があります。もちろん目標タイムは、あこがれのタイムでなく、到達する可能性のあるタイムを指します。

では、実際にその目標タイムを、3時間突破(サブスリー)に設定している人を例にして考えていきますが、その考え方はとてもシンプルです。それは、目標としているフルマラソンのタイムを40で割ったタイムを、1kあたりの設定タイムとするのです。

サブスリーを目標にしている人の場合、3時間00分00秒を40で割ります。すると、4分30秒となります。これが、1kあたりの設定タイムとなります。そして、その設定タイムで25kから30kのペース走を実施していくのが、この「第2次マラソン準備期」となります。

サブスリーを達成するには、1kあたり4分15秒程度のペースを刻んでいく必要があります。しかし、この期の設定ペースは4分30秒と、若干遅めになります。もちろん、同じサブスリーを目指している人でも個人差が大きく、スピードに自信のない人は、更に10秒程度落とし、4分40秒程度でも問題ありません。但し、逆にスピードに自信のある人が、設定タイムを速くしていくことはご法度です。この点だけは、注意しましょう。

かなり余裕がある場合でも、その設定タイムをしっかりとキープし、ラスト2kから5k程度をペースアップするようにします。また、更に余裕があるからと言って、5k以上も手前からペースアップすると、後半失速したり、適切な練習強度を逸脱し、故障や怪我の原因にもなります。※「マラソン・7」を参考。

特に、この期は自分自身の設定タイムより、速く走りきることが目的ではありません。設定タイムに対し、どれだけ余裕を持ちながら走りきれるのかが、重要なポイントとなります。この点は、常に意識しておくようにしましょう。

また、自分自身の設定タイムについては、一度1k毎に書き出し、頭の中で整理しておくと、より正確なラップを刻めるようになります。

※上記の計算で導きだした自分自身の設定タイムで、30kのペース走を最後まで走りきれなった場合・・・。無理をしないで目標タイムそのものを見直しましょう。ときには、目標を下方修正する勇気と決断もマラソンには必要です。

つづく。

マラソン・7

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「第2次マラソン準備期」:目標のマラソン大会の5週間前から3週間程度前まで。

この期は、前期より若干距離を短くし、その分、設定タイムを上げます。もちろん目標とするマラソンペースより遅めですが、かなり実戦的なペース走や距離走を取り入れます。また、ラスト数キロはペースアップし、心肺や脚により負荷をかけるような走りを意識していきます。

このブログの「マラソン・4」で記載した説明を、そのまま引用すると上記のようになります。もちろん、各人の走力や目標タイムも違うので、必ずしも全ての人にあてはまることではありません。しかし、大切なことは、目標のマラソン大会に向かって距離を増加していくのでなく、距離を落としながら逆にスピードを上げていくような流れにしていくことが、ひとつのポイントとなります。

その点を踏まえつつ、具体的な距離や設定タイムについて考えていきます。

まず最初は、距離についてです。前期は、距離で走り込むなら30kから40k。時間で走り込むなら3時間から4時間程度と話しをしましたが、今期は30k前後がひとつの目安となります。具体的には、25kから30k程度となります。また、時間で走り込んでいた人も、この期からは距離で走り込むようにしていきす。

次に、設定タイムについてです。実は、この設定タイムの考え方こそ個人差が大きく、経験的な要素が色濃く反映される部分です。しかし、この期でも大切なことは、前期よりペースを上げるとしても、ある程度の余裕を保ちながら走りきれるペースがポイントとなります。

この期でよくある失敗例として、距離を落とした分、目標のマラソンペースより速い設定タイムでトライするパターンです。この場合、単に後半失速してしまう可能性が高くなります。しかし、最後までそのペースで走りきれたとしても、その数日後から調子や体調がどんどん上がってくるケースが多く、調子のピークがマラソン大会前にきてしまうことが多々あります。※故障や怪我のリスクも格段にアップします。

つまり、速過ぎる設定タイムで距離走を実施すると、調子のピークが大きくずれてくる確率が高くなるのです。ところが、当の本人は、そのことに気がつくことはほとんどなく、当日のマラソン大会では、後半大きく失速・・・。これまでそんなパターンに陥ったランナーたちを、数多く見てきました・・・。

このように、いたずらに設定タイムを上げ過ぎることは、大きなリスクがついてきます。この点をしっかりと頭に入れて、次回は具体的な設定タイムを考えていきます。

つづく。

マラソン・6

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「第1次マラソン準備期」:9月第1土・日曜日から目標のマラソン5週間程度前まで。

前回、「精神的なスタミナを養成する」ことは、特に重要な目的であると話しましたが、今回はその点をもう少し掘り下げて話しをすすめていきます。

さて、皆さんは、なぜマラソンが辛いと感じるのでしょうか?

「後半、脚が動かなくなるから」、「数時間も動き続けなくてはいけないから」、「脚がとても痛くなるから」・・・と、いろいろな理由をあげてみたところで、誰もが経験しているようなことばかりが直ぐに浮かびますね。

しかし、別の見方をするとマラソンは、「常に頭の中で、様々なことを考えながら動き続けることが可能なスポーツ」とも言えます。つまり、球技のように夢中でボールを投げたり、追いかけたりするような、「無我夢中(無心)」になる瞬間がほとんどないのです。そのためマラソンは、単調な運動を繰り返しながら、常に頭の中で様々なことを考えるゆとりがあります。※マラソンは、無我夢中で走ったり、頭の中が真白になるようなペースでは走らない。

ところが、そのゆとりこそが逆に、「ゴールまで、まだ20kもある・・・」とか、「隣で走っている人の呼吸が激し過ぎて気になる・・・」等々、マラソン中は様々な邪念が頭の中を常にめぐることになり、それがメンタル面に大きく影響します。マラソンは、自分自身の精神的に弱い部分との葛藤が必ずあり、本当はそれが最も辛いのです。

かくいう私もかつて、40k走を実施しているとき、自分自身との葛藤に負け、途中でやめてしまった経験が何度もあります(涙)。また、私が主宰している練習会でも、このようなパターンで途中リタイヤしてしまう人が、毎回必ずいます。※このような人は、はたから見ていてよくわかります。

皆さんは、いかがでしょうか?

ゆっくり長く走ることは、最初は楽なように感じます。しかし、自分自身の弱い部分との葛藤が必ずあり、実はとてもストレスがたまるのです。だからこそ、「第1次マラソン準備期」は、マラソンを走るための土台となる脚つくりはもちろん、長時間動き続けるための、「精神的スタミナ」を養成する大切な期となるのです。

つづく。

マラソン・5

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「第1次マラソン準備期」:9月第1土・日曜日から目標のマラソン5週間程度前まで。

まずはじめに、この期はゆっくり長く走るトレーニングがメインとなります。具体的には、距離走なら30kから40k程度まで、時間なら3時間から4時間程度動き続けることがひとつの目安となります。また、自分にとってかなり余裕のあるペースを保ち、最後までゆとりを持って走りきることがポイントです。

次に、この期の目的をいくつかあげてみます。

◆目的1).ゆっくり長時間動き続けることで脚筋力を強化する。◆目的2).身体の中にある毛細血管を発達させ、持久力を向上させる。◆目的3).長時間動き続けることで、距離や時間に対する不安を払拭させる(精神的なスタミナを養成する)。・・・他にも専門的な細かいこともありますが、主な目的は以上の3つに集約されます。

もちろんどれも重要な目的なのですが、3番目に記載した「精神的なスタミナを養成する」ことは、特に重要な目的と考えます。実は、マラソン練習でよく見かける失敗パターンのひとつに、40k走を実施しようとスタートしたが、途中で力尽きてしまったケースです。そして、その時「来週は、40k走を完走できうように頑張ります」と、コメントしている人たちです。

いかがでしょうか?思い当たる人はいませんか?

傾向的に上記のような失敗パターンの人は、マラソン大会が目標でなく、トレーニングをすること自体に目標がすり替わってしまい、結果的には怪我や故障をする確率が飛躍的に高くなります。そのため、トレーニングの中で同じ失敗(怪我や故障)を繰り返し、目標のマラソン大会前に、精神的にもバーンアウトしてしまう傾向が強いのです。※このブログの「マラソン・2」を参照下さい。

最終的に目標タイムを達成するためには、ある設定タイムを正確に刻んでいく必要はあります。しかし、この期の目的は、ゆっくり長く走ることです。それにより、距離や時間に対する不安を払拭させることと、スピードを上げ過ぎないようにすることで、怪我や故障を防止しながら脚筋力や持久力を養成することなのです。※この期で速く走り過ぎた結果、潰れて途中リタイヤしてしまうと、距離や時間に対し、逆に不安を残すことになります。

既に何度も話していますが、マラソンは道具を使うスポーツではないので、技術的な要素が極端に少なく、とても単調で根気の必要なスポーツです。そのため、球技をする感覚でマラソントレーニングに挑むと、ほぼ間違いなく怪我や故障をします。

つまり、それを防止するための最短で最も効率の良い方法のひとつが、この「期わけ」なのです。特に、この「第1次マラソン準備期」は、マラソントレーニングの中で最も大切な土台部分を構築していく重要な期です。焦らずゆっくり、じっくりと走りましょう。

つづく。

マラソン・4

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前回、11月から12月のマラソンを目指していく「期わけ」をしました。そして、今回からそれぞれの期について考えていきます・・・。しかし、その前に9月の「第1次マラソン準備期」から「最終調整(仕上)期」の主な流れと簡単なポイントを、最初につかんでおきたいと思います。

◆1).「第1次マラソン準備期」:ゆっくり長く走るトレーニングがメインとなります。マラソンを走りきるための、脚力を養成することが主な目的となり、距離走もかなり余裕を持ったペースで実施します。・・・あせらず、じっくりと走りましょう。

◆2).「第2次マラソン準備期」:前期より若干距離を短くし、その分、設定タイムを上げます。もちろん目標とするマラソンペースより遅めですが、かなり実戦的なペース走や距離走を取り入れます。また、ペース走や距離走のラスト数キロはペースアップし、心肺や脚にもより負荷をかけるような走りも取り入れていきます。しかし、一方で、一気にペースを上げ過ぎた結果、故障や怪我をする人が多いのもこの期です。

◆3).「第1次調整期」:ペース走や距離走の距離も20k程度までにとどめ、目標とするマラソンペースとほぼ同じ設定で実施します。もちろん調整段階に入ってくるので、この段階でスタミナが足りないからと言って、もう一度走り込むとか、40k走を実施すると言ったことは原則としてありません。調整のポイントは、走行距離を増やして調子を上げるのでなく、走行距離を落としながら調子を引き上げていくことです。実は、狙ったマラソンで失敗してしまった原因の多くは、この期に走り過ぎてしまうことなのです。

◆4).「最終調整(仕上)期」:とにかく身体を休め、疲労を抜いていくことが目的となります。具体的には、軽めのジョギングと短い距離のペース走で身体に刺激を入れ、より体調を引き上げていきます。また、この段階に入ると、目の前に迫ったマラソンに対し、精神的な不安も頂点に達してきます。その結果、これまで経験のない「マッサージや整体」を受けたり、服用したことのない「サプリメントや栄養剤」を摂り、逆に体調を崩してしまう人が何と多いことでしょうか・・・。このように最終調整は、「不安症候群」との戦いでもあるのです。

以上が、各期の主なポイントと、全体的な流れについてです。そして、どんなことでも同じですが、特にマラソンは、話したり書いたりすることは本当に簡単です。また、一生懸命走ると身体は必ず疲労し、故障や怪我をする確率は確実にアップします。しかし、故障や怪我を恐れるあまり、走り込みが不足すると、今度は目標タイムでマラソンを走れなくなります・・・。

つまり、この矛盾との戦いこそが、マラソン練習なのです(笑)。

つづく。

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