【秋を走る・3】先月の北海道マラソン大会からちょうど2週間経過しましたが、次の目標となる12月の「防府読売マラソン大会」を目指した強化合宿を開始しました。もちろん、選手たちの回復状態を最優先しながらでしたが、主力選手たちは元気に走り込んでいました。
「マラソンを走ったあとの回復期間(練習量を落とす期間)は?」
ある意味、この問いに対する回答は永遠の課題でしょうか。専門的な文献や一般論などは多数ありますが、「あまり当てにならない」というのが現場での肌感覚になります。別の見方をするなら、「回復期間は個人差が大き過ぎる」とでもいいましょうか。
もちろん、選手個々の定期的な血液検査の結果や日々の体調チェックなど、ある程度科学的なデータを照らし合わせての判断にもなりますが、人の体は必ずデータどおりになりません。
マラソンのようなハードなトレーニングを日々継続している選手たちの血液結果が、異常値を示すことは珍しくありません。ところが、走ることなどせず、普通の健康的な生活をしている人は、そのような異常値はほとんどないと思います(病気などは別)。
したがって、マラソン後や合宿期間中に実施する血液検査で数値が改善された選手の場合、純粋に改善したことを評価するよりも、単に練習を休み過ぎたり、練習の強度不足を、まずは疑います。つまり、練習やレースで結果を残せていない選手ほど、逆に血液状態が良いケースも意外と多いからです(私の経験上)。
さて、話しが脱線しましたが、マラソン後の回復期間については、上記したように個人差が大きいことは間違いなく、その見極めは簡単ではありません。しかし、ひとついえるのは、計画的にしっかりとマラソントレーニングを積んでマラソンに挑んだ選手ほど、走った後も大きな故障やケガに陥ることなく、次の目標に移行している確率が高いのは確かです。
しかし、マラソンは競技の特性上、その記録は当日の天候などのコンディションに最も左右されます。したがって、特に走り込みをしていなかったとしても偶発的に好記録をマークする選手が存在するのもそのためです。ところが、そのような選手の中には、そのマラソン後に故障したり、次のマラソンでは大きく失速したりと、いわゆる「一発屋」で終わる確率も高いと感じます……。
まとまらない話しになりましたが、要はしっかりと走り込みをしてマラソンに挑んだ選手ほど、その結果の良し悪しに関係なく、マラソン後の回復期間は短い傾向になると感じます。すなわち、マラソンに向けた走り込みを計画的に実施することで、その後の故障やケガのリスクも軽減できるともいえるでしょう。
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