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安田享平のランニングライフ

2023春を走る・2

【2023春を走る・2】2022年度も残り1ヶ月となり、今年度の強化合宿もあと1回。そして、4月からの新年度は翌年のパリパラを見据えた極めて重要な1年になります。もちろん、新年度以降も強化合宿を軸に選手強化を継続していきます。

さて、その強化についてですが、そもそもブラインドマラソンの競技人口は極端に少なく、パラリンピックを本気で目指せるレベルに到達している選手も国内に数名です。つまり、一般競技者たちのように「〇〇選手に勝たないと代表選手に選考されない」、「故障している間、他の選手たちにどんどん抜かれていく」などと言った競争原理が働き難い(ほぼ存在しない?)競技特性とも言えます。

また、選手たちが所属しているチームなどに強化のすべてを一任しても、同じチーム内に何人ものブラインド選手(長距離選手)は存在しないので、「チーム内で切磋琢磨(お互いに理解)できるライバルや仲間がほぼ存在しない」、「個人でパラ関係の大会に出場しても、競争する相手が極端に少ない(試合なのに単独走など)」。したがって、「個人でパラ関係の専門的な情報収集や環境整備(伴走者の確保など)もかなり難しい」など、実業団チームや箱根駅伝を目指す大学チームでの強化とは、視点の違う問題が根深く存在するのも確かです。

このように選手個人やチームで解決することがほぼ困難な問題への対応策のひとつが、年間を通じてコンスタントに実施している強化合宿(チームジャパンとして)です。要は、一般選手たちのように個人やチームとして強化(切磋琢磨)してくことが難しい競技特性があるなら、逆に強化指定選手たちを一同に集めた強化合宿の頻度を引き上げていく強化対策です。

その強化合宿ですが、ここ数年は年間100日以上(詳細は割愛します)となり、その成果が東京パラでのメダル獲得につながりました。もちろん、年間100日以上は多いと指摘する関係者もいます。一方、上記した実業団チームや箱根駅伝を目指す大学チームは、少なくとも年間100日以上は直接顔を合わせ、一緒に練習します(同じチームの選手たちは同じ寮などで生活を共にしているので至極当然です)。

そう考えると、実は我々の強化合宿が年間100日と言うのは、やはり少ない……。

いろいろと改善事項や課題はありますが、まずはこれまで同様、「切磋琢磨しながら愚直に走り込める機会と場」を確実に確保し、今後もそれを確実に継続・実行していくことが……。

2023春を走る・1

【2023春を走る・1】3月に入りました。毎年のことですが、寒暖の差が大きくなる季節です。そして、花粉が猛威をふるう時期も重なるので、体調管理が難しい季節でもあります。そんな中、今週末の東京マラソンを皮切りに、3月も各地でマラソン大会が目白押しとなります。

特に、東京マラソンや来週末の名古屋ウィメンズマラソンに出場する方々は、最終調整に入ります。上記したように、体調管理が難しい季節ですが、万全の体調で挑めることを祈念しております。

さて、いわゆるカーボン入りの厚底シューズが登場したことによって、マラソンの記録も飛躍しました。同時に、そのシューズが原因のひとつと思われるケガや故障が増加してきたのも確かです。

私が関係しているランナーの中においても、それらに起因すると思われるケガや故障は確実に増えてきたと感じます。また、痛める箇所や、その傾向も何となくわかってきたような……。一方、それらに対応するための正確な対処方法などは、いまだハッキリしていないのが現状でしょうか。

特に、カーボン入りシューズをどの程度の頻度で、どの程度の期間履くと、どのような症状が出てくるかが、よくわかりません。そのため、そのシューズに慣れてきたかなと、安心したころに故障したり、逆に短期間で足の違和感を訴えたりと、人によって様々です。

また、カーボン入りシューズと、そうでないシューズを履き分けようと、元のシューズに戻したら逆に故障するパターンもあり、その対応に苦慮するケースもおきています。このように、いわゆるシューズ革命による恩恵が大きい分、そのリスクも多岐にわたっていると……。

もちろん、どんなシューズであろうと、自分自身にとってケガや故障の原因につながるようなら、そのシューズを断念することは言うまでもありませんが、カーボン入りシューズは比較的高額なものが多く、購入したらそう簡単にあきらめることは難しいと感じます。実は、この部分が一番大きいかもしれません。

他人事のような話に終始しましたが、どんな理由であれケガと故障は回避し、万全の体調でスタートラインに立てることを、あらためて祈念しております。

冬を走る・13

【冬を走る・13】2年間延期となっていた青梅マラソン大会が開催されました。私も久々に現地へ足を運びました(20数年ぶり?)。かつてはどの大会においても感じた、「まるで地元の方々が総出で大会運営をしている」。そんなアットホーム的な雰囲気が、今も色濃く残っている伝統ある青梅マラソン大会でした。

また、実施される種目もハーフマラソンではなく「30k」と、今ではたいへん珍しい距離です。もちろん、かつては全国に30kの大会が数多くありましたが、ハーフマラソンが普及してきたのと引き換えに、その距離を掲げた大会はほとんどみなくなりました。

ここで、レースとしてのハーフマラソンと30kの違いを少し考えてみます(トップ選手の例で)。距離的には、マラソンの半分がハーフマラソン。よりマラソンに近い距離が30k。まずは見たままの違いになります。

しかし、ハーフマラソンの場合、スタートから記録を意識し、単独走になったとしてもハイペースで突っ込んでいく選手を見かけます。また、後半失速してきてもゴールまでは持ちこたえることができる距離とも言えます(最初から独走でも記録を狙える)。

一方、30kの場合、最初から突っ込んでいく選手もいますが、後先考えずにガンガンいく選手は極端に少なくなります。要は「このペースで最後まで持つのか?」と、距離に対しての不安が頭をよぎるのでしょう(最初からの独走では記録を狙いにくい)。

また、走る時間で考えると、ハーフマラソンは1時間弱、マラソンは2時間弱です。つまり、1時間弱なら積極的な気持ちになるが、2時間弱になると慎重になる。そして、30kは1時間30分弱と、その中間になります。つまり、慎重な気持ちに傾いていく分岐点とも言えるのでしょうか。

近年のマラソンは、その慎重な気持ちを払拭させる意味も含め、ペースメーカーが30k前後までレースをけん引して記録を狙わせます。しかし、30kレースはペースメーカーがほぼいません。したがって、スタート直後から選手間の駆け引きがはじまり、記録は二の次になる傾向が強いと感じます。

先日の青梅マラソン大会も最初から最後まで選手間の駆け引きがあり、逆に見応えのあるレースとなりました。かつて、30kはマラソンへの登竜門と言われていました。ところが、ハーフマラソンが普及してきた近年において、その30kレースは激減しました。しかし、マラソン経験者が駆け引きを学ぶためのレースとして捉えるなら、逆に30kレースの価値を見直すべきかもしれません……。

冬を走る・12

【冬を走る・12】1月後半から本格的なマラソンシーズンに入っていますが、多くの方がこの時期のマラソン大会に一度は出場したと思います。中にはほぼ週末ごとにマラソンを走った方もいたことでしょう。

また、ここでマラソンを1本走ったあと、一旦仕切り直して3月上旬からのマラソン大会に備える方も多いと思います。実は、富津合同マラソン練習会のメンバーたちもこのパターンで調整している方が多い。

このブログでもマラソンの連戦については、「それぞれのトレーニング方法などによって可もなく不可もなく」と言ったような話をしました。そもそも週末ごとにマラソンを走ることを単に連戦と呼ぶのか?あるいは、ひと月ごとにマラソンを走ることも連戦と呼ぶのか?少なくとも連戦と呼んでいる正確な定義は存在しません。

つまり、連戦か否かは個々の主観で決めることであり、走っている本人が苦痛を感じていなければ、週末ごとにマラソンを走っても連戦とは言えないのでしょう……。

さて、ここまでくどい話になりましたが、実はマラソンを連続で走っていると、肉体面より精神面のスタミナが枯渇してくるケースが多いと感じます。いわゆる「燃え尽きる」と言った表現になるでしょうか。

一般的にマラソンはスタートした後、ゴールが近づくにしたがって体はきつくなっていきます。また、走っている距離と時間がとても長いのですが、その分ペースはゆとりがあるので、様々なことを頭の中で考えたり感じたりするゆとりがあります(いわゆる無我夢中や無心になりにくい)。

そのため、特に30k以降の苦しみや苦痛は記憶にも刻まれやすく、最終的には肉体面以上に精神的なダメージの方が蓄積されていくと考えます。そして、マラソンの経験を積むほど、マラソンがうまく走れてくる半面、後半の苦しみや苦痛の記憶も確実に蓄積され、ある時点でオーバーフローするケースもあります。

そうなると、マラソンに挑戦しようとする意欲も減退し、走ることも厳しい状況に陥っていく可能性も高まります。もしも、そのような感覚を持ったなら、3月のマラソンを回避し、一度リフレッシュするのが良いと思います(月並みですが)。

そして、いつも走っているマラソン大会を今回は応援側にまわり、仲間の力走を応援することは、最高の気分転換にもなることでしょう……。

冬を走る・11

【冬を走る・11】今年も伝統の別大マラソン大会が開催されました。そして、今年もブラインドマラソン部門も実施いただきました。まずは、大会関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

また、今年はコロナ禍による制約はほぼなくなり、いつもの活気ある姿に戻りました。そんな状況を祝福するかのように、大会当日のコンディションは懸念されていた風もほぼ無風で、最高のコンディションとなりました。

ちょうど1週間前の大阪国際女子マラソン大会は、後半の寒風に多くの選手たちは失速していましたが、今大会はその風の影響が最小限に抑えられたこともあり、上位選手を筆頭に好記録が続出していました。

もちろん、富津合同練習会で切磋琢磨してきた仲間たちも同大会には多数出場しました。特に、「2時間35分から2時間40分」を目標タイムに走り込んできた方々が多数エントリーし、個人的にも楽しみにしてきました。

さて、1週間前の大阪国際女子マラソン大会に出場した方々も同様でしたが、走力が近い者同士、切磋琢磨しながら走り込んでいくのは、最も効率のよいトレーニング方法のひとつです。これは、別大マラソン大会においても同様です。

そして、大会当日もその切磋琢磨した仲間同士で集団を形成できれば理想的です。しかし、別大マラソン大会に関しては、2時間30分突破を目標にしたランナーたちの集団が比較的大きくなる傾向が強く、2時間35分前後を目指す集団はあまり目立ちません……。

ところが、今大会に関しては、2時間35分前後の記録を目標にした集団は富津合同練習会のメンバーを中心に形成され、比較的大きな集団となっていました。また、その集団は30k以降も大きく崩れることなく、ゴールまで集団を形成しながら粘り倒していきました。

どの選手も課題だった30k以降は、いつものように仲間と競り合うことで、最小限の失速に食い止め、富津合同練習会のメンバーたちは自己新記録ラッシュとなりました。実は、今回のように日ごろから切磋琢磨している仲間たちと、まるで練習会のように実際のレースを走れることはなかなか実現しませんでしたが、今大会はその想いが届きました。

来年の別大マラソン大会では今大会と同じメンバーが更に上の記録を、今回と同じようなレース展開で戦えるよう、富津合同練習会で更に切磋琢磨してほしいと願っております……。

冬を走る・10

【冬を走る・10】先日の1月29日は大阪国際女子マラソン大会が開催され、富津合同練習会で切磋琢磨してきた仲間たちも多数出場しました。また、同大会の参加資格は、マラソンなら「3時間7分以内」と、出場すること自体も難しい大会のひとつですが、今年から関門も厳しくなりました。

具体的には、スタートして最初の6k地点が26分以内に引き上げられました。詳細は割愛しますが、6kの関門通過ペースでゴールすると、3時間2分台となり、参加資格以上のハードルが大会当日に設定されることになったのです。

かくいう私も大会当日は現地にて応援しましたが、コンディションも公式発表以上に冷たい風が強く吹き、特にレース終盤になるほど女性ランナーたちの体力と気力を奪っていったのも確かです。このように、前述した厳しくなった関門とも重なり、少なくとも富津合同練習会のメンバーたちは大苦戦しました。

また、今大会の完走率は80%を下回っていました(安田の計算)。もちろん、過去の公式データを詳細に確認していませんが、完走率だけの数字で判断すると、今回は相当厳しい条件がそろった大会だったとも言えます。

そんな中、果敢に記録へ挑戦したにも関わらず、ゴールタイムが目標タイムと大きく乖離したり、途中棄権に終わった方も多かったと推察します。しかし、今大会に関しては、その厳しい諸条件も加味した上で不必要な落ち込みをしないことが大切です。

実は、レース後の振り返りをすると、悪かった点ばかり列記する方が多いと感じます。そのため、そもそも悪かった点と言うよりも、自身で克服していくこと自体が難しい課題だったりするため、常に同じことを繰り返す要因になっている方が多いとも感じます。

今回のマラソンは、不本意ながら後半失速したり、途中棄権に終わったとしても、自分自身の「良かった点(健闘した点)」にフォーカスし、次回以降に活かしていく姿勢は必須です。繰り返しになりますが、満足な結果が残せなかった方ほど、不必要に落ち込まないで下さい……。

さて、今週末は伝統の別府大分毎日マラソン大会が開催されます。出場される皆様方の快走を心より祈念いたします。

冬を走る・9

【冬を走る・9】29日の日曜日は大阪国際女子マラソン大会をはじめ、全国各地でマラソン大会が開催されます。さらに、翌週は別府大分毎日マラソン大会など、大きな大会が続きます。出場される皆様は、最後のポイント練習も終え、あとはスタートを待つばかりでしょうか。

そして、毎度のことですが、最後の最後まで体調管理に注意してほしいと思います。また、これも毎度のことですが、体調が悪い方や脚などに不安のある方は無理をしないことです。具体的には「勇気ある撤退」、つまり出走を見送る。

マラソンは走る距離と時間が多種目と比較しても格段に長く、それに伴って完走後のダメージが大きいのも確かです。つまり、体調や脚などに不安を抱えながら出走した場合、その状況をさらに悪化させる可能性が高くなります。

しかし、何ヵ月も前から目標のマラソン大会に向け、走り込みを継続してきた方にとって、逆にそのマラソン大会を回避することは、まさに苦渋の決断になりますが、自身の状況を客観的に見極めることは必要です。また、そのような苦しい経験は後になって必ず活かされることでしょう。

そして何より、マラソンへの挑戦は今回が終わりではないので、不安を抱えている方は慎重な判断をして下さい。一方、逆に悪いところはないが、調子が悪い方の場合、そのマラソンで相応の苦しみを体と心が受けることになるでしょうが、その経験も次回以降のマラソンに必ずつながっていきます。

勝手なことを述べましたが、出場される皆様方の快走を心より祈念いたします。

冬を走る・8

【冬を走る・8】今月から3月上旬あたりまでは、国内の各種ロードレース大会が最も盛んな季節になります。しかし、ここ数年はコロナの影響で自粛する大会が多かったのも確かですが、少しずつ復活してきている様子です。マラソンファンの一人としては、このまま元も状態に戻っていくことを願うばかりです。

さて、前述したとおり、各種ロードレース大会が目白押しの季節なだけに、毎週のように各種大会に出場しているランナーも多く見受けます。やはり、まずは大会に参加し、完走することが何よりなので、充実しているランニングライフとも言えます。

一方で走力がついて、記録ものびてくると、たくさんの大会に出場するよりも大会を絞っていく傾向が強くなってくるのも確かです。極端な例になりますが、箱根駅伝を走る選手たちが1ケ月前から毎週末ごとに大会を走りながら調整する選手はほぼいません。

その理由は様々ですが、やはり多くの大会を走ると、調子のピークを狙った大会に合わせることが難しくなるのでしょうか。では、なぜたくさんの大会を走ると、調子のピークを合わせるのが難しくなるのでしょうか。

これも様々な理由がありそうですが、練習は自分自身の決めた設定タイムで自分自身の考えどおりに走ることができます。つまり、その日の練習強度などを自分自身でコントロールすることができます。

一方、大会では自分以外は全てライバルとなり、沿道からの応援もあります。したがって、大会当日のレース展開を自分自身が考えているペースで進め、さらにゴール順位をコントロールすることが極めて難しい点は誰もが理解できます。要は、大会においては自分自身が考えているとおりに走り切ることはかなり困難であると……。

つまりは自分自身が狙っている目標の大会も同様に、ペースや順位をコントロールすることが難しいのも確かです。したがって、体調を調整して狙った大会に合わせても、その大会に出場するその他大勢のランナーの調子や大会当日のコンディションなどは、自分自身でコントロールすることはできないのです。

そう考えると、逆に多くの大会に出場し、様々なレースパターンを自身の体と心で経験しておくことは、目標の大会がどんなレース展開になっても対応できる引き出しを多く持っていることにもなります。同時に、当日のコンディションが厳しい状況(暑いとか強風など)になるほど、経験値の高い選手が有利になるとも考えられます。

まとまらない話になりましたが、トップ選手も含め、大会にたくさん出場することが不利に働くか否かを正確に判断することは難しい……。

冬を走る・7

【冬を走る・7】2023年最初の強化合宿を実施しましたが、目標は2月に開催される別府大分毎日マラソン大会になります。また、今月は大阪国際女子マラソン大会を筆頭に各種マラソン大会が目白押しです。

そして、これも毎年のことですが、1月末から2月上旬に開催されるマラソンを目標にしているランナーは、年始から最後の調整に入っていきます。調整の基本は駅伝同様、「質をキープしながら量をおとしていく」になります。

しかし、マラソンの場合は走る距離が長いので、調整の段階でマラソン当日の30k以降をイメージすることが難しいのは確かです。と、言うよりも正確にイメージできる人は少ないでしょう。

また、マラソンの場合、駅伝やトラックレースと違い、レース自体はゆとりあるペースで走り出すので、多少の不安があったとしても何とかスタート地点に立つことはできます。だからこそ、最終調整段階に入ってくると、自信よりも不安感の方が強くなってくるのでしょう。

もちろん、計画通りに走り込みを消化し、自信を持って最終調整に入っているランナーもいることでしょう。しかし、順調なときほど、走り過ぎたり、追い込み過ぎて調子のピークがずれてしまうランナーを、必ず見受けるのも確かです。

このように、マラソンは走るペースが比較的遅い分、ある程度のゆとりがあります。また、走る距離と時間が長く、レース後半のイメージを予め頭に描くことが難しいのも確かです。そして、そんなことが重なってくると迷いや不安につながり、上記したような「やり過ぎ」になってしまうのでしょうか……。

「迷ったら休養」

すでに何度も話していますが、これに尽きると思います。また、最終調整に入ってからは「追試」をしないことも大切です。つまり、ポイント練習と呼ばれる練習を設定タイムどおりに走れなかったとしても、翌日や翌週にやり直さないことも調整のポイントです(私の経験上)。

そして何よりも、健康第一で良い体調をキープしていきましょう。

冬を走る・6

【冬を走る・6】今年も例年どおり、駅伝観戦からスタートしました。そして、今年も多くの感動をいただきました。選手の皆様、関係者の皆様ありがとうございました……。また、遅くなりましたが、あらためて本年もよろしくお願い申し上げます。

その駅伝ですが、ニューイヤーも箱根もほぼ予想どおりの結果だったように感じます。また、いつの時代も駅伝はエースが快走することは必須ですが、それ以上に全区間でミス(ブレーキ)をしないチームが、優勝や上位入賞を果たしています。

特に、順位変動が少なくなってくる中盤以降の区間については、その選手が次区間の選手にタスキを渡したチーム順位と区間順位がほぼ一致してきます。例として1位でタスキを受け取り、3位に後退したとしても、その選手は意外にも区間3位だったりします。

同様に、20位でタスキを受け取り、11人を抜いて9位でタスキを渡しても区間9位だったりします。つまり、駅伝はタスキを受け取った順位やそこで競り合った相手などによって、その選手のペースや区間順位が決まっていく特性もあります。

それだけに、一度後退したチーム順位を区間賞で一気に上位へ押し戻す「ゲームチェンジャー」になるエースはそう簡単にはあらわれません。今回のニューイヤー駅伝では、4区を走った池田選手(KAO)や細谷選手(黒崎播磨)がそんな走りを見せましたが、両チームとも入賞には届きませんでした。

一方の箱根駅伝は、4区を走ったヴィンセント選手(東京国際)と9区を走った岸本選手(青山学院)の2選手がゲームチェンジャー的な快走を見せましたが、両チームとも目標順位には届きませんでした(5区と6区は除く)……。

しかし、ニューイヤー駅伝を制したHondaは全7区間で2区の外国人選手を除くと、区間6位以内(37チーム中)で全員がキッチリと走り、意外にも区間賞は5区の青木選手だけでした。同様に箱根駅伝を制した駒沢大学も全10区間を区間5位以内(20チーム中)にまとめ、こちらも区間賞は6区の伊藤選手だけでした。

優勝した両チームとも選手個々の調整能力の高さはもちろんですが、それを束ねた監督をはじめとするチーム力の高さが際立っていたのは確かです。さて、いよいよ来年はパリパラ大会です。残されたレースもカウントダウンに入っていきます。まずは、駅伝を制した両チームのようなミスのない安定した走りでパリパラへのキップを手繰り寄せていきます。

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