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ランニング

師走・2

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今回から年末年始のトレーニングを、大きくふたつのグループに分けて考えていきます。

ひとつ目のグループは、1月下旬から2月上旬あたりに、目標としているマラソン大会が位置するランナーです。ふたつ目のグループについては、2月中旬以降のマラソン大会を目標にしているランナーとします。

はじめに、1月下旬から2月上旬のマラソンを目指しているランナーの年末年始について考えていきます。

以前にも、このブログで話していますが、1月下旬から2月上旬のマラソンを目指すランナーにとっての年末年始は、走り込み期から調整期に入っていきます。即ち、あらためてスタミナや脚力の強化を目的とした走り込みではなく、量より質を高めながら体調を引上げていくような走り込みになります。

まずは、この点をふまえて、12月29日から1月3日までのトレーニング例を記載します。

◆年末年始トレーニング例1).12月29日:25k~30k走、12月30日:軽めのジョグ、12月31日:軽めのジョグ+100m×10本、1月1日:元旦マラソン大会(10k程度のタイムトライアル)、1月2日:軽めのジョグ、1月3日:100分~120分LSD。

以上のような流れとなりますが、その中でポイントなるのは、「12月29日:25k~30k走」と、「1月1日:元旦マラソン(10k程度のタイムトライアル)」のふたつです。

ひとつ目の「25k~30k走」の設定ペースについては、目標のマラソンタイムから1k毎のペースを導き出し、そこから「5%~10%」遅くしたペースが目安となります。具体的には、1kを4分ペースで走りきることが目標のランナーは、「4分15秒~4分20秒」あたりの設定ペースとなります。もちろん、どんどんペースアップしていく必要はなく、最後までゆとりを持って走りきるようにします。

既に何度も話していますが、距離走については、どのタイミングで実施したとしても、余裕を持って走りきることが重要なポイントであることは変わりません。この点は、常に意識しながら走りきるようにしましょう。

ふたつ目は、1月1日のタイムトライアルです。近くに参加可能な「元旦マラソン大会」がありましたら、積極的に参加しましょう。ポイントは、ウォーミングアップをしっかりと実施し、自己記録を目指して前半から積極的に走ることです。自己記録の更新ができなかったとしても、最後まで粘り強く走りきることが大切です。そして、このタイムトライアルを取り入れることで、身体に強い刺激が入り、体調がグッと引きあがっていきます。

つづく。

師走

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今年も残り1ヶ月を切りました。年内の主なマラソン大会もほぼひと段落し、何となく目標が見えなくなるような時期でもありますが、いかがでしょうか。

一方で、来年1月から2月のマラソンを目指しているランナーにとって、この12月は最も重要な走り込み期となります。特に、来年の1月末から2月にかけて、例年以上に大きなマラソン大会が集中しており、これまで以上に重要な時期とも言えるかもしれません。

ところが、既にこのブログでも何度か取り上げましたが、12月は1年で最も多くの行事が集中する月でもあります。では、具体的な行事と、ランニングに及ぼす影響をいくつかあげてみます。

◆忘年会:暴飲暴食により、単純に体調を崩し易くなる。また、2次会等のはしごをすることで、風邪をひいたりする可能性が高くなる。◆大掃除:ほこりを大量に吸い込むことで、体調を崩す。日ごろ持たない重たい荷物を持つことで腰を痛めたり、思わぬ怪我をする。◆年末年始:めったに会うことのない人たちと一緒に過ごす時間が多くなり、ランニングをする時間を捻出し難くなる。また、暴飲暴食による体調不良と体重オーバーに陥り易くなる。

以上のように、誰もが頭に浮かぶことであり、誰もが経験したことのあることだと思います。更に、それらのことは、自分自身の判断ではなく、周りの状況に振り回されることがほとんどなので、よりランニングを阻害する要因になると感じます。

しかし、上記の行事は、予め計画することなので、ランニングを継続していくための対策は、逆に立て易いはずです。実際に上記のような理由で、年明けのマラソンを失敗することが多い人は、まずは12月の予定表を書き出すことからはじめましょう。

そして、忘年会の翌日や大掃除の日に、重要なトレーニングを組み込まないようにすることは、年末年始のトレーニング計画にとって基本的なことです。もちろん、トレーニングの流れは重要ですが、忘年会翌日に無理して30k走を実施するより、臨機応変に日程をずらしていく方が、より効果的な場合もあります。

また、11月から12月上旬のマラソンを走った人は、夏以降からマラソントレーニングを継続しています。つまり、マラソンに対応できる身体を一度つくっているのです。そのため、結果の良し悪しに関係なく、年末年始の走り込みは臨機応変に対応することも可能です。

この点も踏まえて、次回から年末年始の具体的なマラソントレーニングを考えていきます。

つづく。

駅伝&マラソン

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12月5日(日)は、全国各地でマラソン大会や駅伝大会が数多く開催されました。私がコーチする選手(市民ランナー)やクラブチームも各種大会に参戦しました。

奈良県で開催された「第1回奈良マラソン大会」には、女子選手1名が招待選手として参戦しました。彼女は、出産後に走力をアップしてきた選手です。もちろん、日々のトレーニングも子育てをしながらの走り込みとなります。そのため、早朝の走り込みがメインとなり、特に週末の距離走は早朝6時前からのスタートとなります。しかも相手のいない単独走です。そんな彼女の地道な努力が実を結び、今大会では3位入賞の好成績をおさめることができました。

実は、前週の「第30回つくばマラソン大会」で2位に入った女子選手もママさんランナーです。そして、同じく出産後に力を付けてきました。もちろん、日々のトレーニングも早朝がメインとなりますが、彼女は毎日早朝3時からのトレーニングを何年も継続しています。

そんな彼女たちの地道な努力に接していると、「マラソンで結果が出て当然」と納得することができます。そして、コーチである私の方が教えられることばかりで、感謝の気持ちでいっぱいになります。

また、「第72回奥多摩渓谷駅伝競走大会」は、東京都青梅市で開催されました。この駅伝大会は、国内では箱根駅伝に次ぐ歴史を誇っております。そんな伝統ある駅伝大会に今年は、男子チームも久々に参戦することができました。

結果は、女子チームは3区間全てで区間賞を獲得し、2年ぶり3回目の優勝をはたすことができました。また、男子チームも目標の6位を上回る5位入賞と、こちらも力を出し切る結果を残すことができました。※3名の女子選手は、先日の「大田原マラソン大会」か「つくばマラソン大会」で、フルマラソンを走った後の駅伝です。

さて、よく人生をマラソンに例えますが、実は人生により近いのは「駅伝」と、私は感じます。個人競技であるマラソンは、途中で止めることができます。また、自由気ままに走ることもできます。しかし、駅伝は仲間の運んできたタスキを受け継ぎ、次の走者に渡す責任があります。つまり、チームや仲間のために、自分に与えられた役割を最後まで全うしなくてはいけないのです。同時に、自分自身の判断で、途中で投げ出したり、諦めたりすることもできないのです。

それは、まさに人生そのものではないでしょうか・・・。

そして、駅伝を通じてつちかった粘り強さや忍耐力は、必ずマラソンにつながると、私は確信しております。

第30回つくばマラソン大会

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先週の栃木県・大田原マラソン大会に引き続き、茨城県・つくばマラソン大会が開催されました。今回は第30回の記念大会として、コースも新しくなり、天候にも恵まれました。

もちろん、私がコーチする選手(市民ランナー)も出場し、自己の限界に挑戦しました。はじめに主な成績を記載します。

◆H・T男子選手/2時間41分04秒(初マラソン)、Y・H男子選手/3時間1分54秒。◆M・S女子選手/2位/2時間50分20秒(自己新記録)、M・K女子選手/6位/2時間54分46秒(自己新記録)、H・O女子選手/3時間0分13秒(初マラソン)、A・K女子選手/3時間3分17秒、M・N女子選手/3時間7分39秒、K・F女子選手/3時間21分17秒(自己新記録)、T・I女子選手/3時間25分34秒(自己新記録)。・・・以上のような成績でしたが、全体的には力を出し切れたと感じました。

また、今回は久々に初マラソンに挑む選手が男女1名ずつおり、これまでと違った緊張感を持ってサポートすることができました。もちろん、その2選手とも最後までレースを投げ出すことなく無事にゴールしました。それは、選手自身にとっても貴重な経験となり、ランニングに対する視野も広くなったに違いありません。

さて、今回も富津合同マラソン練習会を中心に切磋琢磨しながらトレーニングを積み重ねてきました。しかし、毎度のことですが、同じような内容の走り込みを実施してきたにも関わらず、大会当日の調子はそれぞれが微妙に違います。至極当然のことですが、その微妙な違いを修正しながらマラソン当日に調子を合わせていくのがコーチの役目であり、コーチの手腕を問われるところでもあります。

ところが、今回のつくばマラソン大会に向けた各種練習会の中で、その見極めの甘い部分がありました。実は上記の結果は、コーチとして自己記録更新が可能であると期待できた選手と、かなり難しいと思われた選手の結果が、逆になってしまった選手がいました。それはコーチとして、大いに反省する点でもあります。

具体的には、調子のピークが下降に入っていた選手に対し、前半から積極的なラップを刻んでいく指示をし、後半の失速につながった選手がいました。また、逆に調子が上がってきている選手に対し、より慎重に走る指示をしたため、ゴール後も力を残している選手がいました・・・。このようにコーチとしては反省の多い大会となり、最終調整での見極めの難しさを再認識させられました。

そして、今大会を目指してきた各選手のトレーニング計画や実績から調子の流れを分析し、富津合同マラソン練習会をはじめ各種練習会で注視するポイントを修正していきたいと思います。

第23回大田原マラソン大会

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11月23日(火・祝)、栃木県で「第23回大田原マラソ大会」が開催されました。その中には、私がコーチする3選手(市民ランナー)も含まれており、夏以降からこの大会を目標に走り込みを積み上げてきました。※男子選手1名、女子選手2名

さて私は、コーチしている選手が出場するマラソンに対して、必ず目標ラップタイム表を作成し、各選手に指示するようにしています。このように、目標タイムや予定通過ラップタイムを各選手に予め指示することは、各種駅伝大会では一般的です。もちろん、マラソンでも自分自身の目標タイムに対する5k毎の通過目標ラップタイム表を予め作成しておくことは、とても有効的な方法のひとつであることは間違いありません。

しかし、目標ラップタイム表を作成するにあたって、いくつかの注意点があります。そこで、私の経験からその注意点をいくつか記載します。

◆注意1).目標タイムが現状の調子や走力とかけ離れていないこと。※目標タイムが理想タイムにならないこと。◆注意2).出場する選手の持ち味やコースの特徴を加味したペース配分にすること。※「前半貯金したのに」と、話す選手がいます。原則として、「前半の貯金=借金(オーバーペース)」となり、後半の大失速につながるケースが圧倒的に多いので注意が必要。◆注意3).過去の大会実績ラップが残っているなら、大いに活用すること。※起伏にとんだコースを走るのに、平坦コースでの実績ラップタイムは参考にならない。

以上のような点をポイントにしながら、各選手の目標ラップタイム表を作成しています。参考までに今回出場した3選手の目標タイムは、次のように設定しました。※5k毎の目標ラップタイムは割愛します。

◆N・T男子選手:2時間41分59秒で自己記録を更新する。(自己記録:2時間45分42秒)◆M・I女子選手:2時間41分59秒で優勝する。(自己記録:2時間38分51秒)◆M・T女子選手:2時間54分55秒で復活する。(自己記録:2時間48分54秒)・・・以上が、大田原マラソン大会を目指してきたトレーニングの流れや調子から、最終的に導き出した各選手の目標タイムです。※N・T男子選手とM・I女子選手は、最後の仕上がりや調子が同程度だったので、今回の目標設定ラップタイムを同じにしました。

はたして、各選手の成績は?

◆N・T男子選手:2時間42分15秒で自己新記録達成!◆M・I女子選手:2時間42分50秒で優勝!◆M・T女子選手:2時間56分55秒で10位入賞!・・・3選手とも、ほぼ狙いどおりの記録と成績でした。

また、今大会は北風が強く、特に25k以降の冷たい向かい風は各選手を大いに苦しめ、失速している選手が続出していました。もちろん、上記3選手も後半の向かい風にラップタイムが落ちる苦しい場面もありました。しかし、35kからゴールまでの7.195kについては、3選手とも目標ラップタイムを上回る粘りの走りを見せてくれました。この点は、選手にとってもコーチにとっても、最も注視する点で、次のマラソンに向けて何よりも大きな自信と財産になります。

さて、これから各種マラソン大会が全国各地で開催されます。皆さま方の快走を心より祈念いたします。

世界へ!

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先日の13日(土)から1泊2日の短い日程でしたが、千葉県富津市において日本盲人マラソン協会主催の強化合宿を実施しました。今回で今年度の強化合宿は5回目となります。

また、日本盲人マラソン協会が強化指定選手としている選手は7名です。今回の強化合宿には、その7名の選手が全員参加しました。実は、強化指定選手が一堂に会するのは、今回がはじめてのことです。

そして、今回の合宿は、今月23日に開催される「京都福知山マラソン大会」、12月に中国で開催される「アジアパラリンピック大会」、更には来年1月にニュージーランドで開催される「IPC世界陸上競技選手権大会」に向けた調整&強化が主な目的でした。

もちろん、どの選手もそれぞれの課題や目的に沿ったトレーニングを精力的に実施することができました。また、盲人ランナーのガイドとなる伴走者については、大学駅伝でお馴染みの帝京大学駅伝部からのご協力を得ることで、選手たちはより安全に、より高いレベルでのトレーニングを積むことができました。

あらためて、ご支援ご協力いただいた関係各位に対し、厚く御礼申し上げます。

さて、来月のアジアパラリンピック大会には、全盲の和田選手と弱視の堀越選手が日本代表選手として挑みます。また、来年1月のIPC世界陸上競技選手権大会には、この2選手に弱視の岡村選手が加わり、日本代表として3選手が世界と勝負します。

特に、今回のIPC世界陸上競技選手権大会は、2012年に開催される「ロンドンパラリンピック大会」で実施される競技種目を最終決定する最重要大会となります。つまり、この大会の状況次第では、盲人マラソンもパラリンピック種目から削除される可能性があります。そのため、和田選手と堀越選手については二ヵ月連続の海外遠征となり、とてもハードな日程となりますが、岡村選手と共に盲人マラソンの生き残りをかけ、世界との戦いに挑むことになります。

ところが、選手のエントリーを締め切った先月末に、IPC(国際パラリンピック委員会)から選手の追加派遣依頼の打診がありました。これを受け、日本盲人マラソン協会として、全盲の高橋選手と、同じく全盲の福原選手の2名を日本代表選手として追加エントリーすることになりました。※追加選手についての公式決定は11月30日。

これにより、日本盲人マラソン協会として強化してきた7選手中、5選手を日本代表選手として海外へ派遣することになります。もちろん、これだけの選手を一度に派遣することは、はじめてのことであり、最強の布陣でもあります。しかし、世界のひのき舞台であるパラリンピック種目に盲人マラソンが残るか否か、かつてない重大な局面と対持しており、日本代表選手には何としても踏ん張ってもらいたいところです・・・。

これからもまだまだ盲人選手たちを取り巻く環境は、予断を許さない厳しい状況が続きますが・・・、皆様方の絶大なるご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。

富津合同マラソン練習会・9

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前回からの続きで、「ポイント3」についてです。

既に何度も話していますが、富津合同マラソン練習会は1kあたりのペースが、「4分30秒」と「5分00秒」のスピードでキッチリと刻んでいく距離走。更に、ゆっくりと走り込む「LSD」の3グループで構成されています。そのため、面識のない人でも走力の近いランナー同士が一緒に走ることになります。もちろんスタートしてからゴールする間は、お互いに言葉を交わすことはほとんどありません。

それは、はじめて練習会に参加した人でも、2時間から3時間以上も初対面の人たちと一緒に走り続けることになります。そして、その長時間を同じグループ内でお互いが耐え抜き、ゴールを共にすると、不思議なことにもう何年も一緒に切磋琢磨してきたかのような仲間意識が芽生えています。

ゴール後は、スタート前の緊張した面持ちとは一変し、日々の練習のことや、目標にしているマラソン大会等について、笑顔で談笑している光景をいつも目にします。それは、どこにでもあるような光景ですが、実は意外とそうではないのです。

ひとつの例として、同じクラブチームの会員だけに限定した練習会の場合、同じレベルのランナーが10名以上も揃っているケースはとても稀です。仮に揃っていたとしても、常に競争意識ばかりが働いてしまうケースを多く目にしてきました。つまり、練習中は同じチーム内で、「勝った負けた」の話しばかりに終始し、多くの場合、トレーニングの目的から大きく逸脱しているパターンになっています。

それは、常に先頭でゴールする人にとっても、常にラストで遅れる人にとっても、常にレースと同じような状況になっていると言えます。即ち、それだけ故障や怪我のリスクが大きく高まっている状況であるとも言えます。その結果、同じチームメートと切磋琢磨したことが逆に「故障や怪我」、更には「マンネリ化」へとつながり、マラソンに対するモチベーションの低下につながる可能性も出てきます。この点については、決して大げさな話しではなく、軽く見てはいけない点のひとつと考えます。

さて、富津合同マラソン練習会のように、誰でも参加できる練習会は全国各地に数多く存在します。また、ペースメーカーを付けている練習会も同様に多くあります。しかし、ペースメーカーが寸分の狂いもなく先頭をキッチリと先導することで、富津合同マラソン練習会は驚くほど引き締まっています。そのことは、練習会に参加する人たちにとって、絶大な信頼と安心感にもつながっています。

そして、その安心感と、面識のない人たちと一緒に走ることへの緊張感とが、バランス良く調和することで、充実した富津合同マラソン練習会に結び付いていると・・・。

皆さんの参加している練習会はいかがでしょうか?

富津合同マラソン練習会・8

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今回から「ポイント3」について考えていきます。

◆ポイント3).富津合同マラソン練習会では、面識のないランナーたちも一緒に走るので、モチベーションを高めながら良い刺激を受けることができる。

これについては至極当然のことですが、どんな練習会でも感じることのできる最も一般的なことです。同時に、このことを感じるからこそ、わざわざ練習会に参加する意味があるとも言えます。

ところで皆さんは、30k以上の距離走やペース走を単独練習で走りきることができるでしょうか?同じく、2時間以上のLSDをたったひとりで淡々と走り続けることができるでしょうか?

実は、マラソンに向いているタイプか否かを判断するひとつの目安として、たったひとりの練習でも淡々と長い距離を走れるかを見たりします。もちろんマラソンに対する考え方は様々なので、全ての人に当てはまるとは言えませんが、少なくとも私の経験上からは、大きなウェートを占める判断材料となります。ところが、その中には練習に対する意欲や情熱は人一倍で、長い距離の練習に対しても意欲的なのですが、一緒にスタートしても途中で止めてばかりの人もいます。

このように意欲や情熱があっても、長い距離の練習に結び付かない人も意外と多く、見極めの難しい点でもあります。また、たったひとりでの長い距離を走れるタイプとしても、毎週末コンスタントに継続していくことは、簡単なことではありません。なぜなら、日々の生活は、仕事や家庭、その日の天候等、取り巻く環境や状況は常に変化しており、その日の体調やモチベーションにも大きく影響を与えるからです。

しかし、どんな正当な理由でもトレーニングが継続できないのなら、それはストレートに記録やパフォーマンスの低下に直結していくスポーツが、マラソンです。つまり、マラソンは誰にでもチャンスがあり、誰でも気楽にはじめられる半面、ランニング以外のトレーニングだけで、ある一定以上の走力を維持していくことは、かなり難しいのです。それはある意味、とても残酷なスポーツとも言えます・・・。

だが、富津合同マラソン練習会や各種練習会をうまく活用していくことで、少なくともトレーニングの継続は可能となります。同時に、面識のない人たちと一緒に走ることにもなり、適度な緊張感を保つことも可能です。それは、日々単調な走り込みが中心となるマラソンにとって、大きな課題のひとつとなる、「マンネリ化の防止」にもつながっていくと考えます。

つづく。

富津合同マラソン練習会・7

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前回に引き続き、「ポイント2」についてですが、今回はランナー側から考えていきます。

さて、皆さんは正確なペースを刻んでくれるペースメーカーの後ろについてペース走や距離走、あるいはレースを経験したことはあるでしょうか?また、ペースメーカーと一緒に走ったことのある人は、どのように感じたでしょうか?更に、ペース走や距離走の途中やレース中の給水は確実にとれているでしょうか?

そこで、富津合同マラソン練習会に参加したランナーたちにその感想を聞いてみると、ほどんどの人が、「走り易かった」、「ペースが逆に遅く感じた」と、話してくれます。同じく給水についても、「走りながらでも確実に給水がとれた」、「確実に給水がとれたので最後までゆとりを持って走れた」、等々の話しを多く耳にします。

その理由として、次の2点があげられます。◆理由1).ペースメーカーは、最初の100mから設定ペースを確認できるので、スタート直後から正確なペースで先導できる。◆理由2).給水は専用ボトルに入れ、手渡しでランナーに渡すので、給水を取り損なう心配がほとんどない。

実はほとんどの練習会では、スタートして最初にラップを確認できるのは、1k地点以上の場合が多く、その地点では既にオーバーペースになっているパターンが意外と多いのです。そのためペースメーカーは、慌ててペースダウンしながら設定ペースに修正します。

ところが、次のポイント地点では逆にペースを落とし過ぎていて、再びペースアップすることになったりします。その結果、ペースのアップダウンを繰り返しながら何とか設定ペースをキープする走りになり、そのペースの変化に対応できない多くのランナー(参加者)は、途中で力尽きてしまうのです。

給水についても、実際のマラソン大会同様に小さな紙コップで給水している練習会が多く、慣れないコップでの給水を取り損なったり、中身のほとんどをこぼしたりします。特に、集団で走っている場合、他の給水トラブルにもつながります。また、気温が高い悪コンディションになった時、給水トラブルはランナー(参加者)の安全や健康に直結する、重大トラブルに発展する確率が高くなります。

そんな中、富津合同マラソン練習会ではシンプルに、「設定ペースのキープ」と「給水の手渡し」を確実に継続してきました。そのことは逆に、練習会に参加するランナーたちの安全と健康を確保してきたのと同時に、走力アップにも結び付いてきたと強く感じます。

つづく。

富津合同マラソン練習会・6

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今回から「ポイント2」について考えていきます。

◆ポイント2).富津合同マラソン練習会の距離走は、正確なペースメーカーがグループ別にペースメークしながら集団で走っていく。

これは、全国どこの練習会でも実施する最も一般的なトレーニング方法です。また、この方法が最も効率的で効果的なトレーニング方法のひとつであることも間違いありません。同時に、ペースメーカーが可能なコーチが一人いれば、少なくともそのコーチが先導するグループは、ほぼ間違いなくトレーニングの目的を達成できる、はずですが・・・。

実は、「ポイント2」については、ペースメーカーを実施するコーチ側と、それについていくランナー側とにわけ、それぞれについて考える必要があります。まずは、ペースメーカーを実施するコーチ側から取り上げていきます。

はじめに、ある一定の走力が備わったランナーなら誰でもできそうなペースメーカーと思いがちですが・・・。このペースメーカーを最初から最後までキッチリとペースを乱さずに全うできるランナーは、意外と少ないのです(私の経験上)。

富津合同マラソン練習会では、原則として1kあたり「4分30秒、5分00秒ペース」と、二つのグループで実施しています。このペースは、多くの市民ランナーにとっては、速いと感じる方のペースに該当します。しかし、実業団や学生時代に活躍したランナーにとっては、ジョギング以下の超スローペースとなります。そのため、現役を引退したばかりのランナーがペースメーカーを実施すると、そのグループのペースが設定より速くなる傾向になり、前半でグループが崩壊するケースも多々あります。

しかし逆に、設定を下げて1kあたり「6分00秒、7分00秒ペース」と、落としていった場合も、今度は遅過ぎて更にうまく走れないと言った珍現象がおこったりします。そこで、同じ目線の市民ランナーがペースメーカーを実施して、30k以上の距離走を実施するとします。ところが、今度はペースが遅い分、長時間走り続ける必要がでてきます。その結果、ペースメーカーの方がスタミナ切れをおこし、最後まで走りきれないケースもありました。

この他にも、後ろについている市民ランナーからペースを乱され、いつの間にかグループ全体が競争になっていくパターンも良くあります。更に、横についているランナーの質問に答えながら走ることで、ペースが大幅に乱されたりと、ペースメーカーに起因する練習会のトラブルは意外と多いのです。

皆さんの練習会は大丈夫でしょうか?

さて、富津合同マラソン練習会では、あえて二つのグループに特化することで、逆にペースメーカーを担当するコーチたちのペース感覚をより高めることにもなり、安定した練習会の継続につながっております。もちろん、ペース感覚の優れたコーチを更に育成し、練習会でのグループを増やしていくことは、最重要課題のひとつです。

しかし、上記のとおり、単に走力だけでペースメーカーとしての適正を判断することは難しく、どの練習会でもペースメーカーのできるコーチを育成していくことは、難しい課題のひとつかもしれませんね。

つづく。

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